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日通総研とNEC、医療機器物流トレーサビリティ/サプライチェーン効率化の実証実験

内閣府戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)「スマート物流サービス」

2020年11月26日(木)IT Leaders編集部

日通総合研究所が受託した、第2期の内閣府戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)の「スマート物流サービス(医薬品医療機器分野)」にNECが参画し、医療機器物流におけるトレーサビリティの確立とサプライチェーン全体の効率化に関する実証実験を行った。異なる事業者間の各種データを紐付けて一元化し、流通過程の可視化を図った。NECが2020年11月25日に発表した。

 医療機器物流は、誤出荷や遅延の発生が生命の危険にもつながることから、非常に高い精度のトレーサビリティが求められる。特に人工関節やカテーテルなどを扱う整形外科や循環器内科では、治療や手術に必要な多種多量の医療機器の手配や機器の滅菌期限などの管理、機器の使用実績などの正確な把握が求められる。医療ニーズに沿った、非常に複雑な物流に対応する必要もある。

 また、物流業界の課題となっているドライバー不足や働き方改革へ対応するためには、物流・商流データをサプライチェーン全体で共有するデータ基盤を構築することが求められる。このデータを活用し、高い精度と生産性を持つ物流サービスを提供する必要がある。

 今回実施が発表されたのは、第2期の内閣府戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)の「スマート物流サービス(医薬品医療機器分野)」における実証実験。日通総合研究所が中心となり、整形外科と循環器内科の物流において、医療機器メーカーからディーラー、ディーラーから病院、さらには病院内での物流に関するデータを一元的に管理するデータ基盤を構築した(図1)。

 NECは、同データの基盤構築にあたって、異なる事業者間のデータを流通させられるNECの「データコネクトサービス」を活用し、各事業者間の出荷・入荷情報などの物流データを紐付けた。

図1:実証実験のシステム構成(出典:NEC)図1:実証実験のシステム構成(出典:NEC)
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 データ基盤により、各種データを紐付けて一元化し、流通過程を可視化した。トレーサビリティの確保や各流通段階における在庫の削減といったサプライチェーン全体の効率化、物流拠点の集約化や共同化、共同配送の実現など、効率的な物流システムの構築や運用に関する実証を行った。

 結果、共同倉庫・共同配送による輸送効率化や、流通過程の可視化を通じた自社外の在庫の把握による在庫最適化によって、輸送コストを最大50%、リードタイム(メーカー出荷から利用開始までの調達時間)を最大30%削減する効果を確認した。

 なお、実証実験の期間は2020年7月21日~同年8月28日で、対象は医療機器に携わるメーカー・ディーラー・物流事業者、医療従事者である。

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