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日立システムズ、カオスエンジニアリングツール「Gremlin」を販売

意図的に障害を発生させてシステムの耐障害性を確認

2020年12月15日(火)日川 佳三(IT Leaders編集部)

日立システムズは2020年12月15日、意図的に障害を発生させてシステムの耐障害性を確認する「カオスエンジニアリング」を実行するツール「Gremlin」(開発元:米Gremlin)を販売すると発表した。サブスクリプション形式でGremlinを販売するとともに、Gremlinを用いたコンサルティングサービスやSIサービスを順次提供する。同社はクラスメソッドに次いで国内2社目の販売代理店となる。

 カオスエンジニアリング(Chaos Engineering)は、ITシステムの堅牢性を検証するために意図的に疑似障害を発生させ、得られた結果から耐障害性向上のための改善を図るエンジニアリング手法のことである(図1)。昨今では、AWS(Amazon Web Services)やMicrosoft Azureなど各種クラウドの設計におけるベストプラクティス集において、カオスエンジニアリングを推奨している。

図1:Gremlinによるカオスエンジニアリングのイメージ(出典:日立システムズ)

 日立システムズは今回、カオスエンジニアリングのニーズの高まりを受け、カオスエンジニアリングツールである「Gremlin(グレムリン)」の販売を開始した(関連記事クラスメソッド、カオスエンジニアリングツール「Gremlin」を販売、意図的に障害を発生させてシステムの耐障害性を確認)。

 Gremlinを用いて、AWS、Azure、Google Cloud Platform(GCP)などのクラウド環境や、Kubernetesなどのコンテナを活用した実際のシステム環境に対して、さまざまな疑似障害を意図的に発生させることができる。これにより、障害が発生した際のシステムの耐久性や復旧までの時間などを把握が可能になる(図2)。

図1:意図的に障害を発生させて影響を計測するカオスエンジニアリングツール、Gremlinの利用例(出典:日立システムズ)図2:意図的に障害を発生させて影響を計測するカオスエンジニアリングツール、Gremlinの利用例(出典:日立システムズ)
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 ただし、実際にシステムの堅牢性を高めるためには、Gremlinによって把握できた問題点を改善する必要がある。これを受けて日立システムズは、システムの堅牢性の向上を支援するコンサルティングサービスや、システム改善に向けたSIサービスなどを順次提供していく。

 カオスエンジニアリングツールのニーズが高まっている背景について同社は、マイクロサービスによるクラウドネイティブなシステムが急速に普及している状況を挙げる。「マイクロサービスは、複数の基盤を活用して分散開発するスタイルになることから、システムの構成が複雑化する。障害の発生に備えた堅牢性の確保が難しい」(同社)

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