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大日本印刷、指紋認証機構を備えたFeliCaカードを開発、2021年度内に提供

2021年2月9日(火)IT Leaders編集部

大日本印刷(DNP)は2021年2月8日、非接触ICカード技術方式「FeliCa」に対応した、指紋認証カードを開発したと発表した。既存のFeliCa対応カードリーダーを改修することなく、入退室管理や電子マネー決済のセキュリティを強化する。同年2月から同カードを使った同社内での実証実験を行い、2021年度内に製品の提供を開始する予定である。

 大日本印刷は、国内の電子マネーや社員証などで普及している非接触ICカードの技術方式「FeliCa」に対応した、指紋認証による生体認証カードを開発した。同カードを用いて、オフィスや工場などへの入退時や、電子マネーの決済時などにおけるセキュリティを強化する。

写真1:指紋で利用者を認証できるFeliCaカードを利用した入館証の利用シーン。ICカードで入館する際に、まずはICカードを使っている人が本人かどうかを確かめることができる(出典:大日本印刷)写真1:指紋認証機構を備えたFeliCaカードを利用した入館証の利用シーン。ICカードでの入館時、最初にICカードを使う人が本人かどうかを確認することができる(出典:大日本印刷)
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 使い方は、FeliCaカードが搭載している指紋センサーを指で触れながら、カードをリーダーにかざすことで、カードを用いた認証/決済処理がなされる(写真1)。社員証や電子マネーカードなどを他人が手にしたとしても、指紋による本人認証ができず、なりすましによる悪用を防止する。

 FeliCaカードが搭載している指紋センサーを使って個人を認証する仕組みであることから、追加の装置やシステム開発の必要がない。既存のカード運用システムにおいて利用できる。大規模な導入コストをかけることなく、短期間でICカード利用環境のセキュリティを強化できる。

 指紋データはカード内に登録・保存しており、利用時の指紋認証もカード内で完結する。指紋データを保管するためのサーバーを構築する必要がない。企業側で指紋データなどの個人情報を持つ必要がないため、情報漏洩のリスクと管理負荷を軽減する。

 同社は、企業のオフィスや工場での活用例を示している。指紋認証機能付きFeliCaカードの採用により、個人情報や機密情報取扱者など特定の社員の入退管理や複合機認証を指紋認証で強化する。マンションなどの住居では、同カードをキー(鍵)として導入し、玄関ドアの防犯性能を高める。また、電子マネー事業者が導入することで、高額チャージ利用者向けや紛失時などの不正利用防止付帯サービスが提供可能になる。

 大日本印刷は2021年2月から、同カードを使った社内での実証実験を行う。実証実験を通じて本製品の改善を行い、2021年度内に製品化する。

 同社は背景として、キャッシュレス決済の比率が高まると同時に不正利用の被害も増えており、より厳重な本人認証の必要性が強まっている状況を挙げる。同社によると、機密情報の持ち出しなど内部不正による情報漏洩が増えており、企業における厳格な入退室管理へのニーズが高まっているという。

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