[新製品・サービス]
ヴィーム、「Veeam Backup & Replication v11」をリリース、CDPやDB即時リカバリでRPO/RTOを短縮
2021年2月25日(木)日川 佳三(IT Leaders編集部)
米Veeam Softwareの日本法人であるヴィーム・ソフトウェアは2021年2月25日、データバックアップソフトウェアの新版「Veeam Backup & Replication v11」の提供を開始した。新版では、RPOを短縮する手段としてCDP(継続的データ保護)機能を搭載したほか、RTOを短縮する手段として仮想マシン単位ではなくデータベース(Oracle Database/SQL Server)をインスタントリカバリできるようにした。
Veeam Backup & Replicationは、データバックアップソフトウェアである。特徴は、オンプレミスの仮想化環境やパブリッククラウド環境などが混在したマルチプラットフォーム環境のデータをバックアップできることと、システム障害時にデータを確実にリストアできるように可用性に注力したことである。
マルチプラットフォームについては、OSにインストールするエージェントソフトウェアを用意しているほか、サーバー仮想化環境やパブリッククラウドと連携してエージェントレスでバックアップできるようにしている。バックアップファイルは、各種環境で共通して使える可搬性の高い独自のファイル形式「.vbk」を採用。各種環境で作成したバックアップデータを各種環境に復元できる。
システム障害時にデータを確実にリストアするための仕掛けとして、バックアップ済みのデータを使って実際にシステムを起動できるかどうかを事前に確認可能な検証環境を用意している。起動できることを確認した上で、本番環境にデータを復元できる。また、必要なデータを素早く復元できるように、システム単位だけでなく、ファイル単位やアイテム単位で復元できる。
今回、新版にあたるv11の提供を、2021年2月25日付で開始した。なお、v11の新機能については、2020年6月に国内で発表済みである(関連記事:バックアップソフトのVeeam、新版v11でCDPやデータベースの即時リカバリが可能に)。
CDP搭載でRPOを短縮、DBMSの即時リカバリでRTOも短縮
新版のハイライト機能の1つは、CDP(継続的データ保護)機能を追加したことである(図1)。データに更新があったタイミングで即座に更新をバックアップ先サイトに反映する。システム障害時に、直前の状態に復旧できる。
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バックアップ済みのサーバーイメージをサーバー仮想化環境に瞬時にリカバリするインスタントリカバリ機能も強化した。復元先のサーバー仮想化環境を増やし、VMware vSphereだけでなく、Hyper-Vにも復元できるようにした。また、NASファイルサーバーのバックアップデータをマウントしてNASとしてアクセスできるようにした。
インスタントリカバリ機能も強化した。仮想マシン単位だけでなく、データベース管理システム(Oracle DatabaseとSQL Server)を即座にリカバリできるようにした(図2)。データベースサーバーを復元後にトランザクションログを使って直近のデータを反映する、といった作業が要らなくなる。
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バックアップデータを格納できるオブジェクトストレージも増やした。AWS(S3互換)、Azure、IBMなどのオブジェクトストレージに加えて、新たにGoogle Cloud Storageを使えるようにした。さらに、アーカイブ用に、Amazon S3 GlacierとAzure Archive Storageも使えるようにした。