[調査・レポート]
労務管理製品市場が急拡大、2019年度は前年比68.5%増で、2020年度は同78.4%増の予測─ITR
2021年4月16日(金)IT Leaders編集部
アイ・ティ・アール(ITR)は2021年4月15日、国内の労務管理製品市場の規模推移・予測を発表した。2019年の同市場は前年比68.5%増と高伸し、2020年度は労務関連の電子申請義務化を追い風に前年比78.4%増と、急拡大が続くと予測している。2024年度には160億円に迫る規模まで成長する見込みだという。
ITRは労務管理製品市場の調査にあたって、対象製品を次のように定義している。「従業員の労働に関する業務を、法律や就業規則に基づいて管理するシステムで、社会保険や福利厚生の加入管理など、従業員の働き方や働く環境の円滑な構築・運用を支援する目的に利用する。人事、給与、就業、研修・教育、福利厚生といった各種人事系業務の申請・承認機能で構成する」。
労務管理市場の2019年度の売上金額は27億8000万円で、前年度比68.5%増と高い伸びを示した(図1)。ITRは、2020年度も同78.4%増と、2019年度を上回る急拡大を予想する。
「主要ベンダー各社の積極的なマーケティング活動によって、労務管理の市場認知度が急速に高まっている。2020年4月から社会保険・労働保険の電子申請が義務化されたことも追い風となり、市場に参入するベンダーが増えつつある」(ITR)
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ITRが算出した同市場のCAGR(年平均成長率、2019~2024年度)は41.6%で、2024年度には160億円に迫る規模まで成長する見通しを示している。
同市場を、パッケージとSaaSの提供形態別で比較すると、パッケージ市場はほぼ横ばいで推移しているのに対し、SaaS市場は急速に拡大している。主要ベンダーがSaaSでの提供に注力していることから、2020年度にはSaaSが市場全体の約9割を占める見通しという。今後もこの傾向が続くと見られることから、パッケージ市場のCAGR(2019~2024年度)が0.4%とほぼ横ばいであるのに対して、SaaS市場は同46.3%になるとITRは予測している。