ヤマト運輸とアルフレッサは2021年8月3日、ビッグデータとAIを活用して配送業務量を予測するシステムと、配送業務量の予測に基づいて適正に配車するシステムを開発したと発表した。同年8月からアルフレッサの首都圏の支店を対象に導入を開始する。配送生産性の最大20%向上を見込む。
医薬品卸売販売会社のアルフレッサ(本社:東京都千代田区)とヤマト運輸は、ビッグデータとAIを活用して配送業務量を予測するシステムと、配送業務量の予測に基づいて適正に配車するシステムを開発した。2021年8月からアルフレッサの首都圏の支店を対象に導入を開始する。その後、アルフレッサの全国の支店に順次拡大していく(図1)。
拡大画像表示
配送業務量予測システムは、アルフレッサがこれまでに蓄積した販売、物流、商品、需要トレンドなどのビッグデータをAIで分析し、顧客ごとの配送業務量(注文数、配送発生確率、納品時の滞在時間など)を予測する。AIの学習によって各種予測の精度が向上し、より効率的な配車計画の作成を可能にする。
配車計画システムは、配送業務量予測システムで得られた情報を基に、配車計画を自動作成する。ヤマト運輸がこれまでに蓄積した物流や配車に関するノウハウに加え、渋滞などの道路情報を活用することで、効率的かつ安定的な配車計画を作成する。配送業務量が多いときには、ヤマトグループが保有する配送リソースも機動的に活用する。
想定しているシステムの導入効果として、配送生産性の最大20%向上を見込む。両社は配送業務量予測システムと配車計画システムの活用により、従来以上に効率的な配送が可能になるとしている。
走行距離およびCO2排出量は最大25%削減を見込む。配車計画システムの活用により、従来の固定化された配送ルートではなく、日々の業務量に応じて最適化された配送コースを設定できる。
医療機関における対面作業時間については最大20%削減を見込む。従来の対面による検品作業から、デジタル機能を活用した事前検品も踏まえた「パッケージ納品」へとシフトすることで、医療機関における対面での作業時間の短縮を図ることができる。