BlackBerry Japanは2021年8月27日、セキュリティゲートウェイサービス「BlackBerry Gateway」を発表した。社内LANへのアクセスやSaaSへのアクセスを仲介するアクセス仲介ゲートウェイを、クラウドサービスとして提供する。テレワーク環境のセキュリティを確保する狙いがある。価格はオープン。
カナダのBlackBerryは、マシンラーニング(機械学習)によるマルウェア検出ソフトウェアの開発元である米Cylanceを買収し、EDR(エンドポイント検知・対処)などのセキュリティ製品群を提供している。今回、ポートフォリオを補完する形で、ネットワーク上でセキュリティを確保するゲートウェイサービス「BlackBerry Gateway」を発表した(図1)。
図1:エンドポイント向けのセキュリティ製品群に加えて、新たにネットワーク上でセキュリティを確保する「BlackBerry Gateway」を用意した(出典:BlackBerry Japan)拡大画像表示
BlackBerry Gatewayは、クラウド型のネットワークゲートウェイである。専用のエージェントソフトウェアを導入したクライアント(2021年8月時点でWindows/Mac、次期版でiOS/AndroidとLinuxを追加)が、BlackBerry Gatewayを介して社内LANやSaaSなどにアクセスする形になる。仲介するプロトコルに制約はなく、WebシステムやC/Sシステムなど各種のアプリケーションを仲介できる(図2)。
図2:BlackBerry Gatewayのネットワークアーキテクチャ(出典:BlackBerry Japan)拡大画像表示
クラウドを介して社内LANにアクセスするための仕組みとして、社内LAN上のLinuxサーバーにインストールするクラウド接続ソフトウェア「Gateway Connector」を用意している(図3)。Gateway Connectorからクラウド上のBlackBerry Gatewayに対してアウトバウンド接続して張ったネットワークコネクションをトンネルとして利用し、社外から社内にアクセスする。
図3:社内LANからクラウドに張ったコネクションを利用して社外から社内LANにアクセスできるように、クラウド接続ソフトウェア「Gateway Connector」を用意している(出典:BlackBerry Japan)拡大画像表示
ネットワーク上のふるまいを基にアクセスを制御
BlackBerry Gateway上では、ネットワーク上のふるまいに応じてアクセスを制御できる(図4)。デバイスの健全性、ユーザーの行動、ネットワークやアプリケーションのアクセスパターンなど、複数の要素に基づいてアクセスを制御する。ネットワークパケットを解読することなく、AIを活用してネットワークの脅威を検知する。
図4:BlackBerry Gatewayのセキュリティ機能(出典:BlackBerry Japan)拡大画像表示
悪意のあるインターネット接続先のリストを、マシンラーニング(機械学習)、IPレピュテーション、リスクスコアリングなどを使って常に更新する。また、マシンラーニングを用いて、ユーザーのネットワーク利用パターンが過去の行動と一致しない場合に、ネットワークアクセス制御ポリシーを動的に上書きし、接続をブロックする。
BlackBerry GatewayからSaaSにアクセスする際のソースIPアドレスを固定できるので、SaaS側でのアクセス制御に利用できる。BlackBerry Gateway以外の接続元からのアクセスを一律ブロックすることで、BlackBerry Gatewayの利用を強制できる。また、エージェントソフトウェアとの連携により、特定のサイトについてはBlackBerry Gatewayを経由せずに直接インターネット上のリソースにアクセスさせられる。
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