[事例ニュース]
イーデザイン損保、事故担当者をAIでマッチング、顧客のコミュニケーションスタイルに合わせて接客
2021年10月14日(木)日川 佳三(IT Leaders編集部)
イーデザイン損害保険は2021年10月14日、事故担当者マッチングサービス「私のタントウシャ」を発表した。同年10月22日に提供開始する。顧客と事故担当者のマッチングを、マシンラーニング(機械学習)を用いたAIモデルによって自動化する。顧客へのアンケート結果から顧客のコミュニケーションスタイルを推定。事故発生時に、コミュニケーションスタイルと事故内容からAIが事故担当者をマッチングする。
イーデザイン損害保険は、事故担当者のマッチングを、マシンラーニング(機械学習)を用いたAIモデルによって自動化した。2021年10月22日に、事故担当者マッチングサービス「私のタントウシャ」として提供を開始する(図1)。まず、顧客へのアンケート結果から、顧客のコミュニケーションスタイルを推定しておく。事故が起こった際には、顧客のコミュニケーションスタイルと事故内容から、適切な事故担当者をAIを用いて自動でマッチングする。
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アンケートは、補償開始後に事前に回答しておく必要がある。約40秒と短時間で回答できるとしている。これによりイーデザイン損保は、顧客のコミュニケーションスタイルを事前情報として把握できる。事故担当者をAIにマッチングさせる際の判断材料として利用できる。
事故発生時、事故担当者は、顧客のコミュニケーションスタイルに合わせて接客する。これにより顧客は、事故のストレスや保険会社への不安が減る。サービス開始に先立って2021年6月から9月にかけて実施した試行では、事故解決後のアンケートで9割以上の顧客が最大評価の「満足」と回答しているという。
「顧客が好むコミュニケーションのスタイルはさまざまである。例えば、『情報をたくさん知りたい』と望む顧客もいれば、『ゆっくり考えながら話したい』と望む顧客もいる。コミュニケーションにおいて大切にするポイントが、人によって異なる。特に、事故は非日常なので、話のテンポやフィーリングが合わないとストレスになる」(同社)。
なお、コミュニケーションスタイルは、米国の産業心理学者であるデビッド・メリル(David Merrill)氏が提唱した「ソーシャルスタイル理論」に基づいて推定する。同理論では、対人行動における人間のコミュニケーションのタイプを、識別・類型化している。人それぞれの傾向によってコミュニケーションを工夫することで、円滑な人間関係を築くことができる。イーデザイン損保は、関西学院大学教授の佐藤善信氏監修の下、同理論を活用している。
イーデザイン損保によると、私のタントウシャは、アマゾン ウェブ サービス ジャパンの顧客体験の企画・設計をテーマにしたワークショップ「Digital Innovation Program」への参加を通じて生み出したサービスという。なお、AIモデルの作成には、AIモデルの作成を自動化できる「DataRobot」を採用した。