パナソニック システムソリューションズ ジャパンは2021年11月4日、「顔認証 入退セキュリティシステム(KPAS)」の新モデルを発表した。2022年1月から提供する。認証機を従来比で約50%に小型化し、1システムあたりの登録人数を10万人、認証機の収容台数を5000台まで拡大した。価格は、オープン。
パナソニック システムソリューションズ ジャパンの「顔認証 入退セキュリティシステム(KPAS)」は、顔認証を用いたオフィス入退室管理システム製品である。今回、認証デバイスの「KPASチェッカー」を従来比50%に小型化したほか、認証率を向上させている(写真1)。
KPASチェッカーの小型化によってシェアオフィスのような省スペース型の空間にも容易に設置できるようになった。外観はパーツごとにそれぞれトーンの異なる黒基調の配色を採用している(写真2)。
新モデルでは、登録デバイスの「KPASレジスター」を、タブレットで利用可能なソフトウェアとして新たに提供する。汎用のタブレットを活用して柔軟性の高い設置や運用が可能になった。
大規模な環境での利用の要望に応えるため、1システムあたりの登録人数を従来の3万人から10万人に、KPASチェッカーの収容台数を従来の100台から5000台に拡大している。入退管理にかける手間や管理運営側の負担を軽減するための「テナント管理」機能も強化した。
照度変化や顔の向き、角度変動があった場合でも、本人認証エラーを従来比3分の1以下に低減(同社社内評価)させた。マスク着用時認証率も99.9%に高めた。なお、顔認証にはディープラーニング(深層学習)を利用している。顔の向きや経年変化、メガネ・マスクなどにも影響されにくいとしている。
同社はこれまでも、空港での本人確認や、アミューズメントパークでのチケットレス入退場、店舗でのキャッシュレス決済、オフィスでのICカードレス入退室などで、顔認証技術を応用したシステムを展開している。
製品提供の背景について同社は、非対面・非接触といったニーズやサテライトオフィスを活用した新たな働き方のニーズの増加から、入退管理システムなどにおいても、より安全に社員や来訪者が利用できる本人認証手段として顔認証技術の活用が期待されていることを挙げる。