ゆうちょ銀行は、スマートフォン向け本人認証専用アプリ「ゆうちょ認証アプリ」の利用登録時における本人確認の方法を拡充し、2022年1月4日からオンライン本人確認(eKYC)に対応する。Liquid(リキッド)のeKYCサービス「LIQUID eKYC」を導入し、本人確認書類のICチップ情報と利用者の顔写真を用いた認証を追加することでセキュリティを強化している。Liquidが2021年11月24日に発表した。
ゆうちょ銀行のインターネットバンキング「ゆうちょダイレクト」では、ログイン時と送金時の本人認証手段として、ワンタイムパスワード(ハードウェアトークンまたはメール通知)のほかに、スマートフォンアプリによる生体認証を利用できる。この時に使うアプリが「ゆうちょ認証アプリ」であり、iPhone/Androidのスマートフォンから、指紋認証または顔認証でログイン/送金が行える。
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今回、ゆうちょ認証アプリの利用登録においてeKYC(オンライン本人確認)に対応した。本人確認書類のICチップ情報と、利用者の顔写真を用いて利用者本人を認証する(写真1)。スマートフォンで本人確認書類のICチップ情報を読み取り、ICチップ情報の改竄がないことを電子署名検証により確認後、利用者が撮影した顔写真が本物の人間であるかどうかの真贋判定を自動で行う。フラッシュ光の反射判定と表情筋判定を組み合わせることで、写真や動画など偽物による不正登録を抑止する。
ゆうちょ認証アプリの利用登録はこれまで、ゆうちょダイレクトの利用者番号とログインパスワードを入力後、口座に登録してある電話番号(音声、SNS)あてに確認コード(数字5桁)を通知して入力を求め、この方法で本人を確認後、ゆうちょ認証アプリに生体情報(指紋認証や顔認証)を登録していた。今回、利用登録時の本人確認手段に、eKYCを追加したかたちだ。
なお、利用するLiquidの「LIQUID eKYC」は、オンライン本人確認サービスである。Webブラウザやスマートフォンアプリを使って、免許証やマイナンバーカードなどの本人確認書類の撮影、もしくはICチップを読み取り、自撮りの顔写真と照合。公的個人認証まで対応する。AI技術、生体認証技術、OCR(光学文字認識)技術などの工夫によって、撮影開始から完了までの離脱率は3%以下としている。