ヤマハモーターソリューション(本社:静岡県磐田市)は、ヤマハ発動機グループ各社のシステム運用管理を担う中、障害インシデント対応をツールによって自動化した。障害発生時のアラートメールの内容を判別し、適切な2次担当者への電話連絡までを自動化する。2022年1月17日から運用している。ツールによる運用自動化を支援したセイコーソリューションズが同年1月19日に発表した。
ヤマハモーターソリューションは、ヤマハ発動機グループ各社のシステム運用管理を担っている。同社はこれまで、障害発生時の1次対応をオペレーターが手動で実施していた。各社の監視システムが発報したアラートメールの内容を切り分け、対応手順やエスカレーション先の一覧に基づき、2次担当者に電話で連絡していた。このため、初動の遅れや判断の属人化、2次担当者が電話に出ない場合に何度も連絡をしなければならないことなどが課題だった。
同社は今回、これまでオペレーターが手動で実施していた障害の1次対応をツールで自動化した(図1)。監視ツールが発行したアラート通知をトリガーに、あらかじめ定義しておいたジョブフローを自動で実行する、フィックスポイントの「Kompira」を導入した。Kompiraの導入と運用を支援するセイコーソリューションズのSIサービス「SNOPS」を利用した(関連記事:セイコー、IT運用自動化支援サービス「SNOPS」にITSMオプション、AIOps機能を拡充)。
ツールを導入した効果として、オペレーターによる1次対応の負荷を軽減した。また、ツールによる電話連絡では「どのシステムで、どのようなアラートが出ているのか」をアナウンスしているため、この電話連絡を受けた時点で、2次担当者は障害内容を把握している。これにより初動対応を迅速化した。
同社は今後、多々ある監視システムやインシデント管理、ワークフローツールとの連携など、自動化範囲、適用業務を順次拡張する、としている。最終的に、AIを取り入れた自律型の運用管理を目指す考えである。