ラックは2022年2月17日、金融不正取引防御サービス「AIゼロフラウド(ZeroFraud)」を金融機関向けに提供開始した。キャッシュカードを騙し取って現金を引き出すといった不正な口座取引を、AIで検知して防御する。ラックの金融犯罪対策センター「Financial Crime Control Center」(FC3)が開発したAIを活用する。価格は対象口座数などに応じて個別見積もり。
AIゼロフラウドは、不正な金融取引をAIで検知して防御するサービスである(図1)。キャッシュカードを騙し取って現金を引き出すといった不正な口座取引をAIで検知して防御する。金融機関のサービス利用者の取引行動から特殊詐欺行為を発見し、不正利用を停止する。金額、口座情報、日時、などの属性データや取引履歴などのデータを元に不正かどうかを判別する。取引情報をAIゼロフラウドに送信すると、リアルタイムに分析結果が得られる。
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特徴は、AIを利用して不正取引の検知性能を高めたことである。不正取引検知率として94%をうたっている。不正取引は正常な取引と比べて極端に件数が少なく不均衡データとなるため、従来のルールベースの検知では対応が難しい。ラックが開発した技術では、犯罪パターンを分析し、学習用データの比率調整を実施する。不均衡データでも発見率が高いとしている。
サービス導入の流れを紹介している。事前検証フェーズにおいて、金融機関が保有する取引データを実際に使い、データ分析や不正検知モデルのチューニングを実施する。こうして、実現性や有効性を評価する。この後、検証結果に基づき、システム環境に沿った形で不正取引検知システムを開発・導入する。運用フェーズでは、定期的にAIエンジンをチューニングし、金融機関の取引状況を不正検知モデルへと反映させる。