スカイロジック(本社:静岡県浜松市)は2022年4月26日、AI画像検査ソフトウェア「DeepSky-SS」を発表した。良品画像のみの学習で、良品にはない特徴に反応して不良品を検出する仕組みを持つ。不良サンプルが出にくい製造ラインでもAIによる製品検査が可能になる。価格(税別)は80万円。
スカイロジックの「DeepSky-SS」は、「良品学習AI」をうたうAI画像検査ソフトウェアである。良品画像のみの学習で、良品にはない特徴に反応して不良品を検出する仕組みを持つ。これにより、不良サンプルが出にくい製造ライン(不良画像が得られない製造ライン)でも、AIによる製品検査が可能になる(図1)。
良品学習AIでは、良品画像のみの学習で、良品に含まれている情報以外のものが画像に含まれている場合、これらを「良品でないもの」として幅広く検知する。このため、色や形状の想定が難しい異物の検知や、不良サンプルが用意できない用途での使用に適している。
スカイロジックは従来、不良個所の特徴を覚えて検知する「物体認識」タイプのAI画像検査ソフトウェア「DeepSky」を開発・販売してきた。しかし、「異物検知したいが、その異物は様々」、「どんな不良パターンが発生するか分からない」など、不良の特徴を覚えるタイプの物体認識では利用が困難な場合があったという。そこで、不良画像がない、あるいは少ない場合でも使えるAIモデルを開発した。
物体認識の場合、見つけたい不良にラベルを付けてAIに教え込む。不良の特徴を直接教え込むため、あらかじめ学習した不良をほぼ確実に検出し、分類や計数が可能である。しかし、教えた不良以外の特徴には反応しないため、未知の不良は検知できない。一方、良品学習は、不良の分類や計数はできないものの、未知の不良も広く検出する。