日本オラクルは2022年5月27日、説明会を開き、Oracle Cloudのアップデート内容について説明した。同年3月16日に発表したコンピュート/ストレージ/ネットワーク関連のアップデートと、同年5月24日に発表したセキュリティ関連のアップデートについて、改めて説明した形である。例えば、Oracle Cloud上で利用可能なVMware環境である「Oracle Cloud VMware Solution」では、ワークロードの規模や内容に合わせ、PCサーバースペックの選択肢が増えた。
日本オラクルは2022年5月27日、説明会を開き、Oracle Cloudのアップデート内容について説明した。同年3月16日に発表したコンピュート/ストレージ/ネットワーク関連のアップデートと、同年5月24日に発表したセキュリティ関連のアップデートについて、改めて説明した形である。
ベアメタルの選択肢を拡充、VMwareサービスでも利用可能に
3月16日には、2022年内に拡充する新機能として、コンピュート関連3つ、ストレージ関連2つ、ネットワーク関連6つの機能群を発表している(関連記事:Oracle Cloud、2022年内にコンテナインスタンス「Container VMs」を追加、ストレージ性能も自動で変更)。
コンピュートのアップデートの1つが、ベアメタルサーバー機のラインアップを増やし、AMD製の新しいCPUを搭載したモデルを追加したこと。VMwareのサーバー仮想化ミドルウェアをベアメタルサーバー上で提供するサービス「Oracle Cloud VMware Solution」においても、AMD製CPU搭載機を利用可能にした(図1)。
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Oracle Cloud VMware Solutionで選択可能なベアメタルサーバーは従来、1種類だけだった(Intel CPU、52コア、768GBメモリー、51.2TBストレージ)。新たに、AMD CPUを搭載した3種類のサーバースペックを用意した。
新たに追加したサーバーは、CPUコアが32、64、128から選べる。メモリーは2TBである。既存のサーバーと比べると、CPUコア数の選択肢の幅が、少ない方と多い方の両方に広がった。メモリー搭載量は2倍以上に増えており、VDI(デスクトップ仮想化)などのように多数のインスタンスを収容する目的にも適する。
Oracle Cloud VMware Solutionでは、VMware向けにNFS形式のストレージも新たに用意した。VMwareのセキュリティ面では、サーバー機が搭載しているセキュリティチップ(Trusted Platform Module、TPM)を使ってシステムの改竄を防止する機能を使えるようにした(関連記事:ヴイエムウェア、新版のvSphere 6.7を5月までに提供、vGPU強化やMVDIMM対応など)。
コンピュートのアップデートではまた、ベアメタルサーバーと仮想サーバーに加えて、新たにコンテナのインスタンス「Container VMs」を利用できるようにしている。アプリケーション開発時やテストの用途で1個から数個のコンテナをプロビジョニングして動作させるといった小規模のニーズで使える。自前でコンテナ実行環境を構築するよりも手軽に利用可能である。
Palo Alto NGFWをOracle Cloudで利用可能に
5月24日には、5つのセキュリティ機能を発表している。今回新たに説明した(関連記事:Oracle Cloudのセキュリティ機能を強化、Palo Altoのファイアウォールも提供)。
パロアルトネットワークスのNGFW(次世代ファイアウォール)機能を提供する「OCI Network Firewall」の提供、脅威インテリジェンス(脅威情報)を提供する「Oracle Threat Intelligence Service」の提供、セキュリティ設定を強制する「Oracle Security Zones」の強化、セキュリティ上の問題点を検出する「Oracle Cloud Guard」の強化などである。