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Cogent Labs、AI-OCR「SmartRead」で給与支払報告書を読み取り可能に

2022年6月16日(木)IT Leaders編集部

Cogent Labsは2022年6月15日、AI-OCRサービス「SmartRead」に給与支払報告書を読み取る機能を追加すると発表した。同機能は今後、SmartReadのオンプレミス版「SmartRead On-Premises」でも提供する。2022年秋には最新(令和4年度分)の給与支払報告書への対応を予定している。

 Cogent Labs(本社:東京都港区)の「SmartRead」は、AI-OCR(光学文字認識)サービスである。AI-OCRの中核機能である文字画像のテキストデータ化に加え、文書を分類して仕分ける機能などを備える。

 文書画像のアップロード、傾き補正などの前処理、分類と仕分け、データの抽出、確認と修正、出力まで、紙文書からデータを抽出するプロセス全体を自動化する(関連記事Cogent Labs、AI-OCR「SmartRead」を発表、文字認識に加えて文書の仕分けが可能に)。

 特徴として、事前に読み取りの定義をすることなく、微妙に異なるレイアウトをAIが理解し、フォーマットの微妙な違いを吸収する。これにより、これまで複数の人が関与していた入力・確認業務を効率化する。ディープラーニング(深層学習)で作成したAIアルゴリズムによって実現している。

 手書きか活字かを問わず、ひらがな、カタカナ、漢字、数字、アルファベット、記号、印刷でかすれた文字など、各種のタイプの文字を認識する。また、帳票フォーマットを固定している定型文書だけでなく、レポートや契約書といったフォーマットを固定していない非定型文書も読み取る。テンプレート(読り取り方法の定義)を作成することなく、AIが文書内の文字を自動で検出して読み取る。

 「給与支払報告書は自治体が公開しているフォーマットによってレイアウトが微妙に異なる場合が多く、従来のOCRでは実業務への適用が困難である」(同社)ことから機能の強化を図った。読み取り対象を拡大し、給与支払報告書を読み取りに対応した。

 なお、給与支払報告書は、企業などが従業員に支払った給与額などを記載し、従業員が住む各自治体に毎年提出する書類である。「各自治体は、毎年1月に法人から受領して住民税額を算出し、企業に納税額を通知する。一定数を越える帳票を提出する企業には電子申告を義務付けているが、令和2年度(2020年度)においても電子申告での提出率が57.2%に留まるなど、紙の書類による提出が多い」(同社)。

 給与支払報告書はマイナンバーなどの個人情報を扱う文書であるため、セキュリティの確保が必須である。Cogent Labsは今後、給与支払報告書の読み取り機能を、SmartReadのオンプレミス版ソフトウェア「SmartRead On-Premises」でも提供する。2022年秋には、最新(令和4年度分)の給与支払報告書への対応を予定している。

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