[新製品・サービス]
サイトの文章を1クリックで平易な日本語に変換─「やさしい日本語」変換サービス
2022年7月5日(火)日川 佳三(IT Leaders編集部)
日立社会情報サービスは2022年7月5日、Webサイト管理支援サービス「『やさしい日本語』変換サービス」の販売を開始した。Webサイト/ページの文章を平易な日本語に変換するサービスである。運用中の自社サイトに起動リンクを設置することで、「やさしい日本語」表記に自動変換する。サイトに来訪する在留外国人などが情報を取得しやすくすることが主な狙い。価格(税別)は、アクセス数やサイト規模によらず初期費用が15万円、月額費用が3万5000円(1ドメインの場合)。販売目標として、2027年度までに3000ユーザーを掲げる。
日立社会情報サービスの「『やさしい日本語』変換サービス」は、Webサイト/ページの文章を平易な日本語に変換するクラウドサービスである。運用中の自社サイトに起動リンクを設置することで導入できる。リンクをクリックすると、AIが「やさしい日本語」表記に自動変換する。ルビ(ふりがな)機能も備え、サイトに来訪する外国人や子供に情報を届けることが可能になる(図1)。
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在留外国人が情報を取得しやすくすることを主な狙いとしている。「やさしい日本語」は、出入国在留管理庁・文化庁が2020年8月に発表した「在留支援のためのやさしい日本語ガイドライン」で定めているもの。例えば、「防災訓練・避難訓練」を言い換えた例は「災害が起きたときのために、安全に逃げる練習や、火を消す練習をすること」となる。このほか、「利用日」を「使う日」に、「申請書類」を「申し込み書類」に、といった具合で平易な日本語に変換する。
AIを用いて「やさしい日本語」への変換率を高めている。継続的なマシンラーニング(機械学習)により、「やさしい日本語」の変換率を継続的に向上させることが可能。また、単語単位ではなく文章全体を変換することにより、自然な日本語へと変換する。より精度の高い変換を実現するため、サイト/ページごとにユーザー辞書を設定することも可能である。
サービス提供の背景として日立社会情報サービスは、在留外国人が増加傾向にあり、国籍も多様化する中で正確な情報を届けることがサイトの大きな役割となっていることを挙げる。
「在留外国人向けの情報提供としては多言語翻訳が一般的だが、『やさしい日本語』の活用によって、より正確な情報を伝えられることから取り組む自治体が増えている。一方、通常ページに加えて、対応のための作業も必要となることから、Webサイト管理者の負担が増えるという課題があった」(同社)。