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“MRヘルメット”で火力発電所の設備点検技術を継承─北海道電力とアバナードが巡視点検MRアプリを共同開発

2022年7月28日(木)神 幸葉(IT Leaders編集部)

北海道電力とアバナード日本法人は2022年7月26日、MR(複合現実)活用の巡視点検業務用アプリケーションを共同開発し、同月より苫東厚真発電所(所在地:北海道勇払郡厚真町)において運用していると発表した。「Microsoft HoloLens 2」をベースにしたヘルメット一体型MRデバイス「Trimble XR10」を用いて、火力発電所の現場における専門的な巡視点検作業をナビゲートする。今後、両社は同アプリケーションの機能強化や作業支援コンテンツの拡充を進めていく。

 北海道電力は現在、主要な火力発電所を5カ所で稼働させている(図1)。それらでは、電力の安定供給維持のため、定期的に設備の巡視点検を行っている。多岐にわたる設備から異常を早期発見するには多くの経験とノウハウが必要となるが、定年退職に伴って技術を習熟したベテラン技術者が減少しており、職場内研修やOJTで習得していた技術をいかに継承するかが課題になっていたという。

図1:北海道電力の主要な火力発電所(出典:北海道電力)
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 課題解決に向けて同社は、アバナードと共同で巡視点検業務用アプリケーションの開発を行った。その設計・開発およびプロジェクト管理にアクセンチュアが協力している。

 巡視点検アプリは、Microsoft Azureの「Azure Spatial Anchors」による空間情報共有技術と、「Microsoft HoloLens 2」をベースとしたヘルメット一体型MR(Mixed Reality:複合現実)デバイス「Trimble XR10」で構成する(写真1)。空間情報取得のためのGPSやビーコン(注1)などを必要とせずに、苫東厚真発電所の約2kmにわたる広範囲な巡視点検のナビゲーションを可能にする。

写真1:ヘルメット一体型MRデバイス「Trimble XR10」を装着した様子(出典:北海道電力、アバナード)

発電所員がこれまで職場内研修や実務を通じて習得してきた点検技術を、MRを用いて巡視ルートや点検内容を作業中に表示できるようにして、技術の可視化と標準化を支援する。

 写真2は使用イメージである。Trimble XR10を装着した発電所員が巡視ルート案内に沿って移動すると、現在位置に対応した作業指示や参考資料が自動的に表示され、視覚的なナビゲーションを得ながら巡視点検が行える。

注1:ビーコン(Beacon)は、狼煙(のろし)の意味で幅広く使われてきた用語で、無線で信号を発する標識を指す。最新のビーコンは、極低電力の近距離無線通信規格「Bluetooth Low Energy(BLE)」を利用している。

写真2:巡視点検アプリの使用イメージ(出典:北海道電力、アバナード)
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●Next:北海道電力が計画する今後の拡張

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