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栗田工業と日立、水分センサー搭載ドローンによる製鉄所の原料ヤード管理で協業

2022年9月28日(水)IT Leaders編集部

栗田工業と日立製作所は2022年9月27日、水分センサーを搭載したドローンを用いた製鉄所の原料ヤード管理サービスの開発で協業すると発表した。栗田工業が持つ原料改質技術/ノウハウおよび製鉄所の製造プロセスに関する知見と、日立のドローン活用技術およびAIデータ解析技術/ノウハウを組み合わせて開発する。

 栗田工業と日立製作所は、水分センサーを搭載したドローンを用いた製鉄所の原料ヤード管理サービスの開発で協業すると発表した。栗田工業が持つ原料改質技術/ノウハウおよび製鉄所のプロセスに関する知見と、日立のドローン活用技術およびAIデータ解析技術/ノウハウを組み合わせて開発する(図1)。

図1:栗田工業と日立製作所が共同で開発する、水分センサー搭載ドローンを使った製鉄所の原料ヤード管理サービスの概要(出典:栗田工業、日立製作所)
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 具体的には、船から荷揚げして山積み保管する製鉄所の原料ヤードにおいて、ドローンに搭載した水分センサーによって原料パイル(山)ごとの水分を測定し、このデータを収集して広大な現場の状況を可視化する。さらに、気象データと組み合わせてクラウド基盤上のAIで解析し、蒸発や降雨に伴う原料の水分変動を予測する。

 これにより、原料の粉塵飛散や焼結工程・コークス工程といった、後段設備への影響を事前に把握できるようにする。水分に起因するリスクを可視化することで、原料改質技術をタイムリーに適用でき、製鉄所における生産性の向上や安全性の改善、さらには後段設備における燃料の使用量低減によるCO2排出量の削減に貢献する。

 今後、サービスの実用化に向けて、原料の水分の変動を予測するアルゴリズムを共同で開発する。さらに、製鉄所の現場における実証実験に取り組み、る水分測定技術やAI解析技術を強化する。また、他の業種のユーザーへの提供やグローバルへの展開を目指す。

 「製鉄所では製鉄原料を屋外で保管することが多く、降雨などによる水分上昇を起因とした搬送作業の効率低下や原料パイルの崩れなどが問題になる。高度な原料ヤード管理が求められている」(両社)。

 栗田工業は、製鉄所への原料改質技術の提供やコンサルティングを行う中で、原料ヤードおよび後段設備で発生する課題の多くが、原料に含まれる水分に起因することを明らかにし、原料ヤードの最適管理に向けた検討を行ってきた。一方、日立は、ドローンを用いた原料ヤード向け在庫管理システムを提供してきた。

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