[市場動向]

クラウド移行の加速で、DDI=ネットワーク基盤管理がより重要に─BlueCat

2022年11月22日(火)神 幸葉(IT Leaders編集部)

カナダ・トロントに本社を置くBlueCat Networksは、DDI (DNS/DHCP/IPAM)の管理製品を提供するネットワークインフラベンダーである。2013年にはBlueCat Japanを設立し、翌2014年から日本国内での事業を本格化している。2022年11月10日に開催された発表会には、BlueCatのCSO (最高戦略責任者)、アンドリュー・ウェーキン(Andrew Wertkin)氏が来日。クラウド移行が進む中で、顧客に向けて取り組むネットワーク基盤管理の一元化や自動化について説明した。

 カナダBlueCatでCSOを務めるアンドリュー・ウェーキン(Andrew Wertkin)氏(写真1)は、発表会の冒頭、あらゆる業界においてクラウド移行が進んでいることに触れた。「クラウドネットワーク管理製品市場は2026年までに310億米ドル以上の市場規模になる」(IT調査会社の米650Group)という市場予測を引用しながら、DDI(DNS/DHCP/IPAM、注1)の適切な管理が今後ますます重要になると強調した。

注1:IPAMはIP Address Managementの略で、企業・組織におけるすべてをIPアドレスを管理すること

写真1:BlueCat CSOのアンドリュー・ウェーキン氏

 「断片化された状態のIPとドメイン名のデータが、スプレッドシートや日常利用するサーバー上で管理され、手動でデータが更新されている。このような状態は重大なリスクである」と指摘。しかし、多くの企業においてネットワークやクラウドを担当するITチームの連携が不十分で、DNS、DHCP、IPAMが別々に管理されているのが実態だろう、と述べた(図1)。

図1:これまでのDDIと今後求められるDDIのイメージ(出典:BlueCat Japan)
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 クラウド移行の動きが活発化する中、上記のようなDDIのカオス状態はますますリスクを生む。BlueCatは、同社のコア製品として、すべてのネットワークインフラを一元管理する「BlueCat Integrity」のほか、DNS環境を可視化、クラウド接続の最適化を行う「BlueCat Edge」を提供し、複雑性が増すネットワークインフラ管理の簡素化・自動化を支援している(図2)。

図2:BlueCat製品群がDDI管理と自動化を実現(出典:BlueCat Japan)
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 ウェーキン氏は、クラウド移行に伴って変化する市場ニーズに対応する機能を紹介した。クラウド環境とそこに接続するネットワークをリアルタイムに可視化する「Cloud Discovery」や、地域やエリアごと別のネットワークやDNSが存在する場合の問題解決を図る「BlueCat Cloud Resolver」などである。

 Cloud Resolverは、クラウド上で行われる作業を自動認識し、すべてのバーチャルプライベートクラウドの調整を行い、接続の正常性を維持するという(図3)。

図3:BlueCat Cloud Resolverの機能イメージ(出典:BlueCat Japan)
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 続いて、サイバーセキュリティを担う製品として「Protective DNS」を紹介した。脅威インテリジェンス会社との提携によって、顧客が接続を試みる際、悪意のあるサイトへの接続をブロックする。また、脅威が検知されていない新手のランサムウェアに対しても、DNSデータベースを基に、アクセス先の安全性を事前に予測するという(図4)。

図4:Protective DNSの機能イメージ(出典:BlueCat Japan)
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 日本での事業展開については、BlueCat Japan カントリーマネージャーの中原浩輝氏が言及した。同氏によると、現在の顧客は主に国内外に事業拠点を展開する製造、流通、金融などの大企業で、大規模かつ複雑なネットワーク環境の運用管理の一元化・自動化製品群をもって顧客を支援しているという。

 「ここ2年で国内のパートナー企業を増やしてきた。国内の市場も、また顧客層も変化している中で、国内の顧客にもっと訴求していきたい」(中原氏)。

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