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クマヒラなど、AI顔認証モバイルゲートの処理能力を5G通信とMECによる通信高速化で23%向上

2022年12月8日(木)日川 佳三(IT Leaders編集部)

熊平製作所、クマヒラ、リアルネットワークス、NTTコミュニケーションズの4社は2022年12月8日、可搬型のセキュリティゲート「AI顔認証モバイルゲート」の認証速度を、5Gとクラウドサービスで向上させる共同検証を実施した。検証の結果、1分間にゲートを通過できる人数が、従来環境と比較して23%増加した。大規模イベントなどでの入場管理業務の効率化が狙い。

 「AI顔認証モバイルゲート」は、可搬型のセキュリティゲートである。AI顔認証機能を備えており、カメラで取得した顔画像から個人を特定して認証する。セキュリティゲートを提供する熊平製作所およびクマヒラと、AI顔認証基盤を提供するリアルネットワークスが共同で検証してきたシステムである。

図1:AI顔認証モバイルゲートの認証性能を高める策として、顔認証サーバーとの通信環境を刷新した。これまでの4Gとパブリッククラウドとの組み合わせから、5Gと、5G向けのエッジサーバー(docomo MEC)の組み合わせに移行した。これにより、顔認証やゲート制御の通信にかかる時間を短縮して処理能力向上を図った(出典:熊平製作所、クマヒラ、リアルネットワークス、NTTコミュニケーションズ)
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 今回、AI顔認証モバイルゲートの認証性能を高める策として、NTTコミュニケーションズがプロジェクトに加わり、顔認証サーバーとの通信環境を刷新した(図1)。5Gと、5G向けのエッジサーバーを提供するクラウドサービス「docomo MEC」を、AI顔認証モバイルゲートと組み合わせて検証した。

 従来は、顔認証サーバーをパブリッククラウドに配置し、4Gで接続して検証していた。今回これを、MEC(マルチアクセス・エッジ・コンピューティング、移動通信網においてユーザーにより近い位置にサーバーやストレージを配備する仕組み)と5Gの組み合わせに置き換えた。これにより、顔認証やゲート制御の通信にかかる時間を短縮して処理能力向上を図った。

 検証の結果、ゲートを通過できる人数について、従来環境の39人/分に対して、今回の検証では48人/分と、1分当たり23%増えた。来場者数が3万人のイベントで試算すると、入場処理に要する時間が従来環境の約3時間から約2時間30分になる計算である。

 5GとMECの活用により、通信ケーブルを使わずに簡単に設置可能な可搬型のゲートでありながら、高速に処理できるようになる。大規模イベントなどにおいて、期間中に限って会場に設置するといった利用方法を採れるようになる。

 今後4社は、検証結果を踏まえ、AI顔認証モバイルゲートの商材化に向けて検討する。さらに、大規模イベントの運営企業など、入場管理業務を担う企業に対して、日本各地において共同でプロモーションを実施する。デベロッパーや建設などの業界における活用を想定している。

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