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NTTと産総研、誤り訂正型量子コンピュータに向けて、量子ビットの長寿命化につながる手法を検証

2022年12月26日(月)日川 佳三(IT Leaders編集部)

NTTと科学技術振興機構(JST)は2022年12月22日、NTTと産業技術総合研究所(産総研)が、量子コンピュータの構成要素である超伝導量子ビットの寿命を延ばす手法を見出したと発表した。誤り耐性のある量子コンピュータの実現を目指す。

 NTTと産総研は、量子コンピュータの構成要素である超伝導量子ビットの寿命を延ばす手法を見出した(図1)。量子ビットの寿命を制限する「2準位欠陥」と呼ぶ状態を検出して識別する方法を見出し、実際に識別に成功した。誤り耐性のある量子コンピュータの実現を目指す。

図1:研究の概要。超伝導量子ビットを構成するジョセフソン接合中の絶縁体には、各種の2準位欠陥が存在する。研究では、2準位欠陥と量子ビットの結合タイプを識別する方法を見出した(出典:NTT、科学技術振興機構)
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 背景として、量子コンピュータの実現方法の1つに超伝導量子ビットがあるが、量子ビットが量子情報を保持できる時間(寿命)が短いという弱点がある。このため、誤り耐性のある量子計算は困難である。

 量子ビットの寿命を短くしている大きなノイズ源が、2準位欠陥である。量子ビットを構成するジョセフソン接合の電荷揺らぎを引き起こす。誤り耐性型の量子計算を実現するためには、2準位欠陥の特性を理解して低減することが大切である。

 超伝導量子ビットと2準位欠陥の結合には、主に電荷型と臨界電流型の2種類のタイプが存在する。今回の研究では、これらを実験的に識別する方法を見出して実証した。2準位欠陥のスペクトルを測定することによって、2種類のタイプの結合を識別可能である。

 同研究を進めることで、欠陥の特性に対する理解が深まる。理解したことを作製プロセスや材料に反映することによって、欠陥のない長寿命な超伝導量子ビットと、誤り耐性型の量子コンピュータの実現を目指す。

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