BIPROGYは2023年2月10日、金融機関/金融サービス事業者向けシステム基盤ビジョン「ファイナンシャル・サービスプラットフォーム」を発表した。金融サービスを機能単位で迅速に提供するシステム基盤であり、同社がこれまで金融機関に提供してきた金融サービスを統一アーキテクチャとして提供する。
BIPROGYの「ファイナンシャル・サービスプラットフォーム」は、金融サービスを機能単位で迅速に提供するシステム基盤ビジョンである。機能単位でAPIを提供することで、金融サービスを活用した事業の実現を支援する。同社がこれまで金融機関に提供してきた金融サービスを統一アーキテクチャとして提供する(図1)。
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BIPROGYが提供する金融サービス群を共通アーキテクチャで統合し、機能別に提供する。機能単位のAPIにより、顧客分析や地域特性分析などを元にしたデータドリブン経営を実現するとしている。アーキテクチャは、以下の4つの領域で構成する。
(1)カスタマーサクセス領域:発生したデータや提供するコンテンツを管理・分析(2)ソリューション&Regtech領域:統合的な規制対応、各種報告などを網羅
(3)バックサービス領域:フルバンキング機能を提供
(4)コーディネート領域:上記の領域を互いに連携
(1)カスタマーサクセス領域では、BIPROGYの営業店システム、接客タブレット、バンキングアプリ、エンゲージメントアプリ、データレイク、DMP(データマネジメントプラットフォーム)など、金融機関と顧客(消費者、法人取引先)のタッチポイントを強化するサービスを扱う。
(2)ソリューション&Regtech領域と、(3)バックサービス領域では、高可用性の担保、トランザクションやメッセージの制御、ロギングなどによって信頼性の高いサービスを提供する。BIPROGYが勘定系システムのオープン化やパブリッククラウド化(BankVision on Azure)で培った技術と知見を投入する。
(4)コーディネート領域では、各領域のAPI連携、フロー制御などを行う。また、クラウドのオープンAPI基盤「Resonatex(レゾナテックス)」でAPIを外部公開することで、異業種サービスやSaaSなど、複数のパートナーとの柔軟なシステム接続/連携を実現する。
金融機関/金融サービス事業者は、これらの領域ごとに、BIPROGYが提供する機能やサービスも利用しながら、自社のIT戦略に応じて独自でUIやロジックを開発できるようになる。それぞれの機能やサービスの連携により、業務を横断した自動化やプロセス改善などを可能にするとしている。
BIPROGYは、同プラットフォームビジョンでは、攻めのIT戦略(自社のIT戦略の独自性を開発できる機能)と守りのIT戦略(共通化と高信頼性を実現する機能)の両方をカバーするとアピールしている。