Sansanとリコーは2023年4月6日、中堅・中小企業の経理業務のデジタル化、インボイス制度などの法対応の推進に向けた業務提携を発表した。4月中旬より、Sansanのインボイス管理サービス「Bill One」をベースに共同企画した新サービス「Bill One for RICOH」の提供を開始する。
請求書の発行や受領に関わる業務は、手書きやPDFの帳票を印刷・郵送したり、手作業でデータ入力するなど、デジタル化されていないケースが多い。特に中堅・中小企業では顕著でIT化・デジタル化の遅れが目立つ。
一方で取引における消費税率と税額を正確に把握するための「インボイス制度」が2023年10月から導入される。発注事業者は消費税を多重に課税されないように、適切に対応する必要がある。2022年4月に施行された電子帳簿保存法による電子データ保存義務化についても、2023年12月末に猶予期間が終わるので、やはり対応が必要だ。しかし、どうすれば適切なのか、対応策に不安を抱える企業は少なくない。
こういった状況を受けてSansanとリコーは業務提携し、「伴走型で中堅・中小企業の請求書処理など経理業務のデジタル化をサポートする」(リコー)ことを決めた。具体的にはSansanのインボイス(請求書)管理サービス「Bill One」を、リコーが「Bill One for RICOH」として提供する。
Sansan 執行役員/Bill One Unit ゼネラルマネジャー 大西勝也氏(写真1)は、「請求書業務は業種や規模とは無関係に全ての企業が行っており、効率化は急務。協業を通じて特に国内企業の約9割以上を占める中堅・中小企業に貢献していく」と協業の狙いを説明した(関連記事:インボイス制度を前に“紙と電子の混在”に注意、Sansanが請求書管理クラウド「Bill One」をアピール)。
一方のリコーは、さまざまな業務をデジタル化するためのサービス群「トレード帳票DXシリーズ」を提供している(図1)。同シリーズは、「RICOH 受領請求書サービス」「RICOH 受領納品書サービス」など6つのサービスで構成するが、ここにBILL One for RICOHを加える。各サービスを連携し、社内ニーズや法対応に合わせて組み合わせることが可能だ。リコージャパン 執行役員 デジタルサービス企画本部 副本部長 服部伸吾氏(写真2)は、「BILL One for RICOHは、中堅・中小企業が導入しやすい形で提供し、トレード帳票DXシリーズの価値の幅を拡大する」と説明する。
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