[調査・レポート]
ウイルス/迷惑メール対策の導入率は9割弱、未導入企業の8割強は今年度中の導入予定なし─サイバーソリューションズ調査
2023年6月2日(金)日川 佳三(IT Leaders編集部)
サイバーソリューションズは2023年5月31日、メールセキュリティへの取り組みについてのアンケート調査結果を発表した。「アンチウイルス・アンチスパム」(ウイルス対策/迷惑メール対策)の導入率は約9割を占め、ほぼ標準となっている。全体では、約8割の企業が2023年度内(2024年3月まで)にメールセキュリティ対策の導入・強化を予定している一方、現在未導入の企業では予定なしの割合が高く、二極化の傾向が見られる。
サイバーソリューションズは、メールセキュリティへの取り組みについてアンケート調査を実施した。「アンチウイルス・アンチスパム」(ウイルス対策/迷惑メール対策)の導入率は約9割を占め、ほぼ標準となっていることが分かった。全体では、約8割の企業が2023年度内(2024年3月まで)にメールセキュリティ対策の導入・強化を予定している一方で、現在未導入の企業では予定なしの割合が高く、二極化の傾向が見られた。
アンケートは2023年1月、全国の従業員数300人以上の企業に勤務する情報システム部所属社員1063人を対象にインターネットで実施した。
調査結果の主なトピックは、以下の通り。
- およそ1割の人に「スパム」「なりすまし」「不審な添付ファイル付き」メールが週1回以上届く
- 過去3年間に勤務先などで経験したメールのトラブル:フィッシングメール被害が8.5%、なりすましメールの悪用が7.3%
- 企業のメールのセキュリティ対策導入率:「アンチウイルス・アンチスパム」が87.0%、フィッシング対策が58.5%、なりすまし対策が38.8%
- 2024年3月までを目途に企業が導入・強化予定の対策:フィッシング対策が37.2%、なりすまし対策が31.3%
- アンチウイルス・アンチスパム導入企業は36.0%が2024年3月までの間の対策強化を予定する一方、未導入の企業は2024年3月までの導入予定が15.3%と、メールのセキュリティ対策に二極化の傾向
Topic1:およそ1割の人に「スパム」「なりすまし」「不審な添付ファイル付き」メールが週1回以上届く
勤務先のメールで経験するトラブルを聞いたところ、およそ1割の人に「スパム」、「なりすまし」、「不審な添付ファイル付き」メールが週1回以上届いていることが分かった(図1)。
週1回以上経験するトラブルの割合は、以下の通り。
- 「スパムメールが届く」(24.0%)
- 「なりすましメールが届く」(13.6%)
- 「不審な添付ファイル付きメールが届く」(12.0%)
- 「自分が社外の相手に送ったメールが届かない」(4.9%)
- 「社外の相手が送ったメールが届かない」(5.0%)
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Topic2:過去3年間に勤務先などで経験したメールのトラブル:フィッシングメール被害が8.5%、なりすましメールの悪用が7.3%
フィッシングメールのトラブルとなりすましメールのトラブルは、割合として多い数字ではないが、ユーザーの周囲で被害が発生していることが分かった(図2)。「勤務先の従業員(自分以外)がフィッシングメールの被害にあった」との回答が8.5%、「勤務先の従業員(自分以外)のメールアドレスがなりすましメールに悪用されて自分に届いた」との回答が7.3%あった。
経験したフィッシングメールの概要は、以下の通り。
- 「勤務先のメールでフィッシングメールによって不審なサイトに誘導された」(5.4%)
- 「勤務先のメールでフィッシングメールの被害にあった」(2.0%)
- 「勤務先の従業員(自分以外)が」フィッシングメールの被害にあった」(8.5%)
- 「取引先がフィッシングメールの被害にあった」(4.8%)
経験したなりすましメールの概要は以下の通り。
- 「自分のメールアドレスがなりすましメールに悪用されて他の人に届いた」(3.8%)
- 「勤務先のメールアドレスがなりすましメールに悪用されて自分に届いた」(7.3%)
- 「取引先のメールアドレスがなりすましメールに悪用されて自分に届いた」(7.9%)
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Topic3:企業のメールのセキュリティ対策導入率:「アンチウイルス・アンチスパム」が87.0%、フィッシング対策が58.5%、なりすまし対策が38.8%
勤務先で導入済みの対策を聞いた。「アンチウイルス・アンチスパム」を利用する企業は約9割で標準となり、次に重要な対策として「フィッシング対策」や「なりすまし対策」の導入が進んでいることが分かった(図3)。
導入割合が高い順に、「アンチウイルス・アンチスパム」(87.0%)、「フィッシング対策」(58.5%)、「添付ファイルを安全に送る対策」(47.0%)、「なりすまし対策」(38.8%)、「IP アクセス制御」(38.8%)だった。
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●Next:2024年3月までにメールセキュリティを強化・導入する企業の割合
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