[新製品・サービス]
AWS、基盤モデルと既存システムを組み合わせた生成AIアプリを開発可能な「Agent for Amazon Bedrock」を発表
2023年8月3日(木)日川 佳三(IT Leaders編集部)
アマゾン ウェブ サービス ジャパン(AWSジャパン)は2023年8月3日、オンライン説明会を開き、同年7月開催のプライベートイベント「AWS Summit New York 2023」の発表内容の一部を紹介した。その1つ、生成AIアプリケーションの開発機能「Agent for Amazon Bedrock」は、最新のトランザクションデータなどを情報ソースにレポートを生成する生成AIアプリをプログラミングの手間を省いて容易に実装できる。
アマゾン ウェブ サービス ジャパン(AWSジャパン)は、AWSが2023年7月に開催したプライベートイベント「AWS Summit New York 2023」の発表内容の一部を紹介した。
Agent for Amazon Bedrock
「Agent for Amazon Bedrock」は、生成AIアプリケーションを開発するための機能である。社内で管理している最新データなどを情報ソースにレポートを生成する生成AIアプリケーションを、プログラミングなどの手間を省いて容易に実装できるようになる(図1)。
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「生成AIの基盤モデル単体では、学習に使った情報しか持っていないので、業務上の課題を解決できないケースがある。例えば、受注に対する発送状況は、ITシステムから現在の情報を取得しないと分からない。ステータスが判断待ちになっている顧客を調べてリマインドのメールを送信するといったこともできない」(AWSジャパン)
Agent for Amazon Bedrockを使うと、外部システムや外部のデータソースと簡単に連携できるようになる。ユーザーがやりたいことに応答を返す一連の流れを統率して制御すると共に、生成AIに対するプロンプトの指示を自動で生成する。
ITシステムのデータを活用した生成AIアプリケーションは、現在でも自前で開発可能であるが、Agent for Amazon Bedrockを使うと、自前で開発しなければならない工程が減る。また、マネージドサービスであるため、アプリケーションの運用負荷が下がる。
Amazon QuickSightのGenerative BI機能
BIサービス「Amazon QuickSight」では、Generative BI機能を追加する。同ツールにはもともと自然言語でデータに問い合わせ可能な「Amazon QuickSight Q」機能がある。Generative BIでは、Amazon Bedrockの大規模言語モデルを使うことで、自然言語によるBI処理を強化した。各種のBIタスクを自然言語で実行可能になる(図2)。
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業務ユーザーの場合、データをどのように分析するかを細かく指示することは難しい。Generative BI機能を使うと、「こういうことをやりたい」という形でプロンプトを渡すだけで、ダッシュボードの作成やカスタマイズ、レポートの生成ができるようになる。
例えば、グラフを表示している場面で、「データの粒度を月単位にして、地域ごとに色分けして、グラフを積み上げの棒グラフにして」という指示を与えるとグラフが指示どおりに書き換わる。そのままダッシュボードとして使える。
また、「月次の売上と利益を出して」と指示を出すとグラフを生成し、「都市ごとに製品の売り上げを表示して」といった指示を出すと地図上にデータをプロットしてくれる。「セグメントごと、地域ごとの売り上げを出して」といった指示を出すとそれらのグラフを生成してくれる。
Amazon EC2 P5インスタンス
「Amazon EC2 P5インスタンス」は、生成AIや科学技術計算に向いたGPUインスタンスである。生成AIの基盤モデルを自社で作りたいユーザーに向く。GPUとして、NVIDIA H100 Tensor Core GPUを搭載している。前世代のGPUインスタンスと比較して、AI/MLのトレーニング処理時間を最大6分の1に短縮し、トレーニング処理のコストを最大40%削減する。クラスタ構成により、最大規模で20エクサFLOPSの分散計算能力を提供可能だとしている(図3)。
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