[市場動向]

未来志向型インフラ技術のハイプサイクル、生成AIが過度な期待のピーク期に─ガートナー

今後12カ月で大半の製品・サービスに生成AIが組み込まれる

2023年8月17日(木)日川 佳三(IT Leaders編集部)

ガートナージャパンは2023年8月17日、「日本における未来志向型インフラ・テクノロジのハイプ・サイクル:2023年」を発表した。インフラ技術のうち、未来志向型と捉えられるテクノロジーや、トレンドとなっている注目すべきキーワードを取り上げている。2023年版では新たに9項目を追加し、一部を除外した。2023年に新たに追加したテクノロジーの中では、生成AIと分散型アイデンティティが「『過度な期待』のピーク期」に位置している。

 米ガートナー(Gartner)のハイプサイクル(Hype Cycle)は、テクノロジーやサービス、関連する概念、手法などの項目の認知度や成熟度を視覚的に示したグラフである。テクノロジーが普及するまでに必ず通過する5つの時期をハイプカーブと呼ぶ曲線で表し、各項目が現在どの時期にあるのかを示している。

 今回ガートナージャパンが発表した「日本における未来志向型インフラ・テクノロジのハイプ・サイクル」は、インフラ技術のうち、特に未来志向型と捉えられるテクノロジーや、トレンドとなっている注目すべき重要なキーワードを日本に特化したかたちで取り上げている(関連記事未来志向型インフラ技術のハイプサイクル、メタバース/デジタルツイン/IoTエッジ分析などが過度な期待のピーク期に─ガートナー)。

 2023年版では、新たに9項目のテクノロジーやトレンドを追加した。加わったのは「生成AI」「分散型アイデンティティ」「サステナビリティ管理ソリューション」「デジタル免疫システム」「LLMプラットフォームサービス」「ポスト量子暗号」「空間コンピューティング」「量子機械学習」「商用核融合炉」である。一方で、2022年版に掲載した項目の一部を除外している。

図1:日本における未来志向型インフラ・テクノロジのハイプ・サイクル:2023年(出典:ガートナー ジャパン)
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 2023年に新たに追加したテクノロジーの中では、「生成AI」と「分散型アイデンティティ」が「『過度な期待』のピーク期」に位置している(図1)。一方、2022年に過度な期待のピーク期に位置していた「メタバース」「Web3」「NFT」「量子コンピューティング」「イマーシブエクスペリエンス」を、2023年版では「幻滅期」に位置づけている。

 2023年のトレンドについてガートナーは、「生成AIを巡るハイプが加速している」と説明。現在、多くの企業が生成AIについて、積極的に試行や実験に取り組んでいるとし、「今後12カ月以内に、ほとんどのテクノロジー製品・サービスに生成AI機能が組み込まれ、『どこでも生成AI』の状況になっていく」(同社)と予測している。

 生成AIとともに過度の期待のピークに位置する分散型アイデンティティ(Decentralized Identity:DCI)について、ユーザーが分散型識別子(Decentralized Identifiers:DIDs)を使って各種サービスに接続し、自分自身でアイデンティティ情報を管理できるようにするテクノロジーだと説明している。ガートナーによると、サービスごとにプロバイダーがIDを管理する従来型のモデルに替わる認証手段として位置づけられるという。

関連キーワード

Gartner / ハイプサイクル / 生成AI / メタバース / NFT / Web3 / 量子暗号

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