[新製品・サービス]
ユーザーに代わって個人情報をクラウド上で管理する「ELEMENTS CLOUD」
2023年8月18日(金)日川 佳三(IT Leaders編集部)
ELEMENTSは2023年8月18日、個人情報管理クラウドサービス「ELEMENTS CLOUD」を発表した。ユーザー企業が扱う個人情報を企業に代わってクラウド上で保持・管理する。企業は個人情報を利用するためのトークンキーのみ保持し、個人情報を管理する必要がなくなる。最初のユーザー事例として、医療法人社団医凰会(本部:埼玉県所沢市)がオンライン診療における個人情報管理に活用する。
ELEMENTSの「ELEMENTS CLOUD」は、ユーザー企業が抱える個人情報を企業に代わってクラウド上で保持・管理するサービスである。企業は、個人情報をELEMENTS CLOUDに預けた後、それを利用するためのトークンキーのみ保持し、個人情報を管理する必要がなくなる(図1)。
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一般に、企業は自社で個人情報の管理システムを構築したり、セキュリティ会社に管理を委託したりするなど、扱う個人情報を自社で保管している。ELEMENTS CLOUDに個人情報の保管を委ねることで、企業はそれ自体には意味がないトークンキーのみを管理することになり、サイバー攻撃を受けても個人情報そのものは流失しない(図2)。
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最初の事例として、埼玉県を中心に展開している医療法人社団医凰会(本部:埼玉県所沢市)が、新たに始めるオンライン診療における患者の個人情報管理に活用する。また、調剤薬局などのパートナー企業が持つ個人情報と連携させ、患者個々に合った健康管理を実現する。患者が希望する場合は、フィットネスクラブや食品スーパーなど医療機関以外の企業・サービスともデータ連携が可能になる。
「個人情報の漏洩・紛失事故が増えている。東京商工リサーチの調査では、2022年に上場企業とその子会社のうち、個人情報の漏洩・紛失事故を公表した会社は150社、事故件数は165件、漏洩した個人情報は592万7057人分(前年比3.0%増)である。近年では、大手企業だけでなく、半数以上の病院が利用する電子カルテシステムを狙った攻撃も増えている」(ELEMENTS)