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Arrcus、ホワイトボックス向けスイッチ/ルーターOS「ArcOS」を販売開始
2023年8月25日(金)日川 佳三(IT Leaders編集部)
Linuxベースのネットワークスイッチ/ルーター用ソフトウェアを提供する米アーカス(Arrcus)は2023年8月25日、都内で説明会を開き、国内での販売体制を発表した。同年8月に伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)が国内で最初の販売パートナーとしてすでに販売を開始している。今後、NECネッツエスアイ(NESIC)とAPRESIA Systemsとも販売パートナー契約を結ぶ予定である。
米アーカス(Arrcus)は、Linuxベースのネットワークスイッチ/ルーター用ソフトウェアを提供するベンダーである。2023年8月に伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)が国内で最初の販売パートナーとしてすでに販売を開始している。今後、NECネッツエスアイ(NESIC)とAPRESIA Systemsとも販売パートナー契約を結ぶ予定である(関連記事:CTC、ネットワーク関連ソフトウェア製品群「Arrcus Connected Edge」を販売)。
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同社のソフトウェア製品群「Arrcus Connected Edge(ACE)」は、以下の5つのソフトウェアで構成する(図1)。
- ArcOS - ネットワーク機器用OS
- ArcEdge - クラウド(仮想環境)で動作するネットワーク機器用OS
- ArcOrchestrator - オーケストレーションソフトウェア
- ArcIQ - ネットワーク可視化/分析ソフトウェア
- ArcRR - ArcOSの機能の一部であり、BGPネットワークの負荷を軽減するBGPルートリフレクタ
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中核となる「ArcOS」は、Debian Linuxがベースのネットワーク機器用OSで、各機能がマイクロサービス型で動作する。ハードウェアには、ホワイトボックス型スイッチ(ArcOSのような各種ネットワークOSを自由に組み合わせられる、汎用的なハードウェアスイッチ)を用いる。
米アーカス会長兼CEOのシェイカー・アイヤー(Shekar Ayyar)氏(写真1)は、ArcOSが目指すシステムアーキテクチャを「Network 3.0」と呼ぶ(図2)。
プロセッサ(ネットワーク処理用ASICや汎用CPU)、スイッチの汎用ハードウェア、ソフトウェアなどを自由に組み合わせて選択できるとしている。ArcOSはバイナリで提供するが、現在約20種類ほどのハードウェアで動作する。
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販売パートナーは、それぞれが用意するホワイトボックスと組み合わせ、ネットワーク機器として販売する。アーカスもホワイトボックススイッチ一体型のネットワーク機器を用意している。パートナーにもよるが、ArcOSをOS単体として入手し、別途用意したホワイトボックスと組み合わせることも可能である。
「ArcEdge」は、ArcOSをクラウドの仮想サーバー環境で動作させたもの。仮想ルーター/仮想スイッチとして動作する。オンプレミス環境や複数のクラウド環境を接続したマルチクラウド環境をArcOSのソフトウェアで構築可能になる。また、「ArcOrchestrator」は、マルチクラウド環境でArcEdgeなどを配備して運用するためのオーケストレーションソフトウェアである。