[市場動向]

NEC、生成AIの活用領域をセキュリティやコールセンターなどに拡大

顧客のDXを支援する戦略コンサルタントを倍増の1000人体制へ

2023年8月31日(木)日川 佳三(IT Leaders編集部)

NECは2023年8月30日、説明会を開き、顧客企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)を支援する各種の取り組みを説明した。戦略コンサルタントを、2023年度の500人に対して2025年度には倍増の1000人を目指す。また、社内業務への生成AIの活用の拡大についても紹介し、一部のコンタクトセンターではFAQの作成工数を75%削減した。セキュリティ分野への活用も進めており、サイバー攻撃訓練用メールを生成AIで作成しているほか、防御のための検知ルールの実装に生成AIを用いて作業工数を約80%削減した。

 NECは、顧客企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)を支援する各種の取り組みを説明した。

 2023年4月には、技術共通基盤に加えて人材やノウハウなどを含めて提供するビジネス組織「NDP(NEC Digital Platform)」を設立。コンサルティングからITシステムのデリバリ、マーケティングまで、デジタル関連サービスをトータルで提供している。

図1:上流コンサルティングを担う戦略コンサルタントを2025年度時点で1000人にまで増やす(出典:NEC)
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 取り組みの中で、顧客支援にまつわるビジネスモデルの変革を進めている。その1つが自社の戦略コンサルタントの大幅な増員である(図1)。NECでは、グループ会社にアビームコンサルティングがあることなどから、2019年時点では戦略コンサルタントを抱えていなかった。

写真1:NECで執行役Corporate EVP兼CDOを務める吉崎敏文氏
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 2019年に戦略コンサルタントとして外部人材を10人採用。2022年度には300人、2023年度には500人の規模になった。「社内人材のコンバートと外部採用を合わせて、2025年度には倍増の1000人体制を目指す」(NEC 執行役 Corporate EVP兼CDOの吉崎敏文氏、写真1)としている。

 現在、ユーザー200社に対して、上流コンサルティングのプロジェクトを立ち上げている。吉崎氏は自社の強みを「上流だけでなく、製品・サービス(デバイスやアプリケーションなど)の5年先までのロードマップを見据えたうえでコンサルティングできること」と強調した。

 上流で業務スコープを定めた後の業務改善のフェーズでは、プロセスマイニングの活用を促す。この説明会の2日前には、独Celonis(セロニス)との提携を拡大し、NECブランドでCelonisを提供することをアナウンスしている(関連記事NEC、Celonisのプロセスマイニング技術をNECブランドのサービスとして提供)。

 システムの実装においては、生産性を高めるため、共通化と自動化によってSIサービスのアセット化を進めている。SIのデリバリを共通化した例に、世界80空港に導入した生体認証(顔認証)システムなどがある(図2)。

図2:共通化と自動化によってSIサービスのアセット化を進めている(出典:NEC)
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●Next:生成AIの新たな社内活用領域

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