システムインテグレータは2023年10月11日、AI外観検査システム開発ソフトウェア「ImagePro」(開発元:RUTILEA)を販売開始した。異常検知や教師あり/なしセグメンテーションを用いた外観検査AI機能、物体検出や画像分類など、9種類の代表的なAI手法とユーザーの環境や条件に合ったテンプレート「検査レシピ」を用意し、ノーコードで外観検査システムを構築できる。月額制でサポートを含めたトライアル導入が可能。
システムインテグレータが販売開始する「ImagePro」は、京都大学発AIベンチャーのRUTILEA(ルティリア)が開発したAI外観検査システム開発ソフトウェアである。9種類の代表的なAI手法とユーザーの環境や条件に合ったテンプレート「検査レシピ」を用意し、ノーコードで外観検査システム環境を構築できる(画面1)。
画面1:AI外観検査システム開発ソフトウェア「ImagePro」の画面(出典:システムインテグレータ)拡大画像表示
「製造業では、品質管理として不良品検査が欠かせないが、その多くは熟練作業員による目視検査に依存しており、検査員によって検査精度にバラツキが生じている。これをAIによる外観検査で代替する」(同社)
検査対象となる画像にある異常箇所に対して、色やキズ、凹みなどの異常パターンごとにパラメータを設定していくことで利用できる。AIの専門知識を持つ専門のエンジニアが行うプログラミングを、検査対象物や環境について理解するエンドユーザー自身が行える。
異常検知や教師あり/なしセグメンテーションを用いた外観検査AI機能、物体検出や画像分類など、9種類の代表的なAI手法を標準で利用できる(図1)。AI以外の要素として、形状探索、物体追跡などの位置合わせツールや色の計測、画像のゆがみ補正機能など150種類のルールベース機能を備える。複雑な異常パターンでは、AI同士、あるいはAIとルールベースの組み合わせによって検出精度を高められる。
図1:9種類の代表的なAI手法(出典:システムインテグレータ)拡大画像表示
画像フィルタ、2値化、モロフォロジ変換など、前処理や後処理で用いる主要な30種類の画像処理機能を標準で備える。ユーザーは手動で画像処理を行うことなく、指定された操作にマウスで従うことで煩雑な画像処理が行えるという。
また、検証結果の表示画面について、どの箇所に、どのパターンの異常が発生しているか、NGかOKかなどの検証結果を、ユーザーが見やすいレイアウトで表示させることができる。
なお、システムインテグレータは以前より別のAI外観検査ソフトウェア「AISIA-AD(アイシア-エーディー)」を提供している。同製品は、検査対象物や運用環境条件に合わせて個別に細かくAIをチューニングし、撮像や搬送の設備も含めたシステム製品という形態から、検証結果が出るまでに2~3カ月を要していたという。ImageProは、「AIによる外観検査の可能性を条件付きでもよいので早めに理解したいという需要に応える」(同社)という。
システムインテグレータ / 外観検査 / 品質管理 / 製造 / RUTILEA
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