NTTデータ先端技術は2023年10月23日、システム運用管理ソフトウェア「Hinemos(ヒネモス)」による運用の自動化を、生成AIを活用して省力化する新機能の検証について発表した。従来、運用自動化アクションの実行条件を設定するのにロジック実装の専門知識が必要だったが、これを生成AIを用いて自然文で自動化アクションの実行条件を設計できるようにする。検証は2023年12月31日まで実施し、2024年4月を目途にChatGPTによる運用自動化インタフェースを製品化する計画。2025年度末までに500ライセンスの販売を目指す。
NTTデータ先端技術の「Hinemos(ヒネモス)」は、オープンソースのシステム運用管理ソフトウェアである。HTTPで通信する専用エージェントをインストールしたPCサーバー(Linux、Windowsなど)やSNMP対応のネットワーク機器を一元管理する。システム稼働監視、パッチ適用などデプロイ管理、ジョブ管理などの機能を提供する(関連記事:OSSの運用管理ツール新版「Hinemos ver.7.0」、メッセージをフィルタリング可能に)。
今回、Hinemosへの生成AI(Azure OpenAI ServiceのChatGPT)の適用として、自動化アクションの実行条件を自然文で設計可能にし、運用負荷を軽減できるかを検証する。2023年12月31日まで検証を実施し、2024年4月を目途にChatGPTによる運用自動化インタフェースを製品化する計画である(図1)。
図1:運用管理ソフトウェア「Hinemos」を使った運用自動化の設定作業を、生成AIを活用して省力化する(出典:NTTデータ先端技術)拡大画像表示
Hinemosには各種アクションを自動で実行する機能があり、自動実行のトリガーとなる条件を事前に定義して使う。ITシステム監視やジョブ管理により発生したイベントへの対応を自動化できるが、実行条件の定義方法として、専門知識を持った運用者がロジックを実装する必要があった。
検証では、生成AIによる運用自動化の対話型インタフェースとして、自動化アクションのイメージを自然文で入力することで、実行判断ルールを自動生成する仕組みを開発する。
Hinemosにはすでに、ITシステムで発生した大量のイベントの中から対応が不要なイベントをAIで判別する機能を備えており、対応不要なイベントの80%を削減した検証結果もあるという。今回の検証で、さらなる運用省力化を目指す。
「ITシステム運用の現場では品質、コスト、納期の3つの課題が顕在化している。過去の設計ナレッジやインシデント情報、ITシステムの稼働情報といった蓄積データがあるにもかかわらず人力で対応しているため、これらのデータを活用できていない」(同社)
品質の課題を解消する生成AIの活用例として同社は、障害発生時に過去ナレッジを基に対処法をアドバイスする仕組みを挙げる。「コストの課題については、クラウドの性能・課金情報からコストの削減方法をアドバイスする。納期については、要件とシステム構成に合わせた監視設計を自動生成する。今回の検証は納期の課題解決に相当する」(同社)としている(図2)。
図2:運用現場が抱える3つの課題と、生成AIによる解決策(出典:NTTデータ先端技術)拡大画像表示
NTTデータ先端技術 / Hinemos / 生成AI / Azure OpenAI Service / ChatGPT
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