福井県は、全庁で生成AIを活用する実証を開始した。エクサウィザーズ/Exa Enterprise AIの生成AIサービス「exaBase 生成AI powered by GPT-4」を採用し、先行して実施した若手職員約30人による検証で、業務削減や品質向上など効果を確認したうえで取り組みを全庁に広げた。生成AIを業務に利用可能な環境を構築し、2023年10月10日から運用を始めている。エクサウィザーズが2023年10月31日に発表した。
福井県が全庁で生成AIを活用する実証を開始した。生成AIを業務に利用可能な環境を構築し、2023年10月10日から運用を始めている。
生成AIに、エクサウィザーズ/Exa Enterprise AIの「exaBase 生成AI powered by GPT-4」を採用した。先行して、同年6月14日から7月31日にかけて、生成AIサービスの有効な利用法や課題を把握することを目的に若手職員約30人による検証を実施している。タスクフォースを設置し、(1)利用に適した業務や、それに対する効果、(2)利用にあたっての課題や留意点、(3)適切な回答を得るためのプロンプト導出の検証を行った。
検証の結果、タスクフォース全体で1700回利用し、同メンバーの約95%が「生産性向上に寄与する」と評価。多くのメンバーが、AI相手のブレインストーミングや文書のドラフトの作成に利用し、業務量の高い削減効果を確認した。AIから得る新しい異なる視点によって、業務の質も向上したとしている。
福井県は、図1の検証結果をまとめている。ブレインストーミングでは新規施策による新事業の促進などに活用した。ドラフト(草案)作成では住民への特定業務のお知らせ文書や議会答弁案の作成などに活用した。このほか、Excelマクロによる帳票作成の自動化といったプログラミングの分野でも効果を出している。
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2023年度下半期には、内部情報の活用も検討する。PDFなどの独自の社内文書をアップロードし、これら社内文書の内容についてプロンプトで問い合わせて回答を得る使い方である。exaBase 生成AIはこうした使い方に対応している(関連記事:エクサウィザーズ、「exaBase 生成AI」で自社独自の情報を取り込んだ生成AI環境を構築可能に)。