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医療分野特化の音声認識エンジンを用いた患者情報検索システム─済生会熊本病院

2024年1月16日(火)日川 佳三(IT Leaders編集部)

社会福祉法人 恩賜財団 済生会熊本病院(熊本市南区)は、看護師の業務負荷軽減などを目的に、音声で対話型に情報を検索できる看護アシストシステムの構築を開始した。スマートフォンに向かって「患者A(氏名)さんのアレルギー情報」と発話すると、電子カルテの中から患者のアレルギー情報を照合し、回答結果として「えび」「かに」など該当する診療データを表示する。システムを共同で構築するアドバンスト・メディアが2024年1月16日に発表した。

 済生会熊本病院は、看護師の業務負荷軽減などを目的に、音声で対話型に情報を検索できる看護アシストシステムの開発を開始した。スマートフォンに向かって「患者A(氏名)さんのアレルギー情報」と発話すると、電子カルテの中から患者のアレルギー情報を照合し、回答結果として「えび」「かに」など該当する診療データを表示する(図1)。

図1:済生会熊本病院が構築している、iPhoneと音声で患者情報を検索するシステムの概要(出典:アドバンスト・メディア)
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 これまで患者情報を閲覧する際は、共用PCから患者情報を取得し、検査など次の業務を確認していたが、こうしたプロセスに多くの時間を要していたという。これを改善するため、音声認識でタイムリーに医療情報を取得可能な仕組みとして対話型看護アシストシステムの開発を始めた。

 アドバンスト・メディアと医療分野特化の音声認識エンジンを共同開発する。同社の音声認識エンジン「AmiVoice」をベースに、医療用語を高精度で認識するほか、認識対象の単語を登録できる。患者の氏名などの固有名詞の認識精度も向上させられる(関連記事Web API型の音声認識エンジンに医療・製薬・金融の領域特化版─アドバンスト・メディア)。

 医療従事者は、「病棟名+氏名」または「氏名」の発話で該当患者を選択する。患者選択後、該当患者について確認したい情報を発話すると、回答をテキストで表示する。患者の情報として、薬剤禁忌情報、食物禁忌情報、造影剤禁忌情報、その他アレルギー情報、過去の血糖値情報、必要時(病棟)指示を表示する。今後も取得可能な情報を追加していく予定である。

画面1:患者の検査オーダー情報を表示しているiPhone画面(出典:アドバンスト・メディア)

 患者の検査オーダー情報として、放射線検査や生理検査など、該当患者が行う検査をタイムライン形式で表示する。未実施の検査を絞り込むことも可能。それぞれの検査をタップすると検査の詳細を表示する。「他の検査情報を教えて」などと発話すると、その他の検査の有無なども確認できる(画面1)。

 検査オーダー情報の詳細画面から、予定する検査のリマインダーを作成し、検査30分前に「検査移送準備」などリマインドを行える。このほか、個々の患者に関するタスクのリマインダーや、診療データとはひもづかない業務に関するリマインダーも作成できる。

 済生会熊本病院とアドバンスト・メディアは今後、情報の閲覧だけでなく、記録業務にも音声認識を活用することを検討している。

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