飲食業向けITサービスを提供しているリディッシュは、POSデータを中心としたデータを生成AIを活用して分析する検証を2023年9月から同年12月末までの期間で実施した。検証を基に、同年12月28日より飲食業に特化したデータ分析基盤の構築と、生成AIによる分析レポートの試験配信を行っている。2024年3月以降、飲食業などのをサービス業に向けて生成AIを活用したサービスを提供する予定。検証を支援したPwC Japanグループが2024年2月29日に発表した。
飲食業界では、POSレジの導入が進んでいる一方で、蓄積したPOSデータの活用が課題となっている。こうした中、飲食業向けITサービスを提供しているリディッシュは、飲食領域に特化したデータを蓄積する基盤を構築し、データ分析レポートを生成AIで作成する検証を行った(図1)。
図1:生成AIを活用した分析レポートのサンプル(出典:リディッシュ)拡大画像表示
蓄積するデータには、POSのほか、気象、SNS、財務などのデータが含まれる。生成AIによる分析コメントを付与することで、分析結果を可視化するのに加えて、課題の抽出や取るべきアクションの提示まで行えるかを検証した。
2023年9月から同年12月末までの期間で、全国の飲食店経営者約500人を対象に下記の項目を検証している。
- POSレジから取得した日次の売上情報に対してABC分析や時系列分析などを行い、生成AIで分析・要約した日報の生成
- 自店舗、競合他店舗のレビュー文章を解析し、顧客満足度の高いメニューやサービス、改善点を抽出したレポートの生成
「これまでは、自店舗のデータについては各種のグラフや数値をみずから読み解く必要があり、うまく活用できていなかった。今回の検証では、生成AIを活用して、自然言語での質問から現状の適切な理解から改善点の洗い出しまでを把握できるようになった。これらが経営改善に活用できる情報となっている」(同社)
リディッシュでは主に以下の用途で生成AIを活用している。
- 日次売上情報の分析・サマリー
- 自店舗レビューの分析・サマリー
- 自店舗に関連性の高い飲食ニュースの抽出
- 競合他店舗の抽出・サマリー
- 提供メニューのABC分析・バスケット分析・サマリー
同社は今後、蓄積するデータセットとAIによる分析メニューを拡張していく。データを活用して飲食店の経営を可視化し、再現可能な具体的なアクションを提示することで、飲食業に高利益体質な経営への転換を図るためのサービスを提供する。同業界だけでなく、サービス業全体の中小事業者に対しても同様のサービスを展開していく計画である。
PwC Japanは、ユースケースの検討から生成AIレポート(アルファ版)の試験配信までの一連の活動を支援した。提供した施策は、生成AI用の環境構築、アプリケーション開発、POS/財務/SNSデータの前処理・統合とデータベースの構築、生成AIモデルによる分析コメントの生成、ABC分析などの技術検証などである。
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