センコー情報システム(本社:大阪府大阪市)は、同社の大阪データセンターの老朽化からIT基盤のクラウド移行を機に、EDI(電子データ交換)サービスと物流系基幹システムをつなぐデータ連携基盤を構築した。データ・アプリケーション(DAL)の「ACMS Apex」を採用している。DALが2024年3月18日に発表した。
センコー情報システムは、センコーのコンピュータ部門が元になって設立された情報システム会社である。センコーグループの物流、商事、ライフサポート、農業、ビジネスサポートといった事業をIT面で支えている。
同社は、大阪データセンター(大阪DC)に、EDI(電子データ交換)システムや基幹システムなどのIT基盤を集中配置していたが、大阪DCが老朽化したため、2019年から4年をかけてIT基盤をAWSのIaaSに移行していった(図1)。
拡大画像表示
クラウド移行に伴い、EDIはアウトソーシングサービスを採用。このEDIサービスと物流系基幹システムなどを連携させる手段として、データ・アプリケーション(DAL)のデータ連携ソフトウェア「ACMS Apex」を採用した。
ACMS Apexには、顧客企業約300社を1800フォーマットで接続する。これらの顧客企業と歩調を合わせつつ、同時並行で、NTT東西のINSネット(ディジタル通信モード)のサービス終了に伴う回線の切り替えを行った。
可用性を確保するため、ACMS Apexの機能を用いて、サーバー(通信サーバーとアプリケーションサーバー)を5台に分散し、1台がトラブルでダウンしても他のサーバーが処理を補う冗長構成をとっている。管理者は、分散したサーバーを1台のサーバーのように運用できる。稼働基盤のAWSでは、アベイラビリティゾーンを分けて各サーバーを配置し、トラブル発生時にもシステムの停止を回避できるようにしている。
「EDIとデータ連携システム関連のインシデントを、クラウド移行以前より大幅に減らすことができた。今回構築した仕組みは、物流業務全体の心臓部であり、顧客からの信用を保つうえでも、データ連携基盤の安定性は重要である」(センコー情報システム)