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SMBC日興証券、営業情報システムをクラウドに移行、東京・大阪リージョンでDR/検証環境も整備

2024年4月2日(火)日川 佳三(IT Leaders編集部)

SMBC日興証券(本社:東京都千代田区)は、全社員約1万人が利用する営業情報システムをクラウドに移行した。データベースはこれまでオンプレミスのOracle Exadataで稼働していたが、Oracle Exadata Database Serviceに移行した。東京と大阪のマルチリージョンで、災害復旧(DR)を兼ねた検証環境も新たに構築した。クラウド化により、ユーザー数やデータ量の増加に追従しやすくなったほか、運用コストも減った。日本オラクルが2024年4月2日に発表した。

 SMBC日興証券は、データセンターやITシステムの運用コストを減らすことを狙い、システムの集約・統合とクラウド化を推進している。この際には、セキュリティ強化やシステム拡張などにITリソースをシフトする方針の下、単純更改ではなく、新しい仕組みを採用したシステムへと刷新している。

 今回、全社員約1万人が利用する営業情報システムをクラウド化し、ユーザー数やデータ量の増加に追従可能なシステムに刷新した。従前のデータベース環境(Oracle Exadata)と同等の性能、短期間での移行、DR(災害時復旧)とバージョンアップ検証環境の整備、といった要件を満たすデータベースとして、Oracle Exadata Database Serviceを選定した。

 東京リージョンに本番環境を、大阪リージョンにDR/検証環境を構築した。オンプレミスからクラウドへのデータベース移行にあたっては、システム停止時間を短くするため、更新差分データをリレプリケーションするツールであるOCI GoldenGateを活用した。移行データ量は約40TBに及んだ。

 本番環境とDR/検証環境のデータ同期には、データベースの複製機能であるOracle Data Guardを使っている。また、検証環境を活用することで、短い間隔で定期的にバージョンアップできるようになり、従来の一斉大規模更改から脱却した。運用コスト面でも、今後5年間で2億円程度を削減できると見込んでいる。

 情報漏洩を防ぐセキュリティ対策には、クラウドサービスの運用を支援するサービス「A-gate」(NTTデータが提供)を利用している。

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