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デロイト トーマツ、RAGシステムの検索/回答精度を高めるソフトウェアを開発

2024年7月10日(水)IT Leaders編集部

デロイト トーマツ コンサルティングは2024年7月8日、生成AIの活用におけるRAG(検索拡張生成)システムの性能/機能向上を図るためのソフトウェア「多機能RAGアプリケーション」を発表した。顧客企業向けのSIサービスにおいて利用する。検索/回答精度向上、大規模言語モデル(LLM)の回答分野の拡張などを実現する機能を備えている。

 デロイト トーマツ コンサルティングは、生成AIの活用におけるRAG(Retrieval-Augmented Generation:検索拡張生成)システムの性能/機能向上を図るためのソフトウェア「多機能RAGアプリケーション」を発表した。顧客企業向けのSIサービスにおいて利用する。検索/回答精度向上、大規模言語モデル(LLM)の回答分野の拡張などを実現する機能を備えている(図1

図1:RAGシステムの性能/機能向上を図るためのソフトウェア「多機能RAGアプリケーション」の概要(出典:デロイト トーマツ コンサルティング)
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 同社はRAGについて、生成AI/LLMが企業内のナレッジやデータを活用するための有用な手段である一方、ビジネスで活用するにあたっては、下記のような技術的課題が存在すると指摘している。

  • 大量の文書の中から必要な情報を検索できない
  • 文書中のグラフやチャートなどの視覚的情報が読み取れない
  • 複数の問いを含む複合的な質問に回答できない
  • 自社独自の用語をLLMが理解していないため回答が正確ではない

 そこで、RAGシステムの利便性や精度を高める技術を実装したソフトウェアを開発した。ユーザーの質問・指示に対する回答処理において以下の機能を提供する。

  • 検索精度向上:複雑な質問をシンプルな質問に分解し、複数回の検索を経て回答を生成する「サブクエリ検索」、最初に複数のドキュメントを検索して選別した後、特定ドキュメントに絞ったチャンク(意味のまとまり)単位での検索を行う「2段階検索」
  • LLMの回答分野拡張:文書中のグラフやチャートなどの視覚的情報を読み取る「マルチモーダル」、業界や自社特有の用語の定義を登録し、定義を踏まえた回答を生成するための「独自用語集」
  • 回答精度向上:評価の高い回答を優先的に表示するために、検索を経ずにキャッシュを利用して回答を生成する「回答キャッシュ」、管理者が登録したFAQデータを基に回答を生成する「FAQ回答」

 同ソフトウェアを用いて構築したRAGシステムの下、ユーザーの画面上では、回答の元になった引用箇所や、より詳細な質問を促すフォローアップ質問を表示する。

 同社はこのほかに、「インデックス作成ツール」を開発している。検索用データの検索精度を向上させるメタデータの付与や、マルチモーダルに対応したインデックス作成機能などを備えている。文書ファイルから、RAGシステムで利用可能なインデックスデータを作成するという。

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RAG / SI / 生成AI / ITコンサルティング / Deloitte

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