[調査・レポート]
従業員の平均立替金額は月3万円で月収の1割に相当─Sansan調査
2024年8月9日(金)日川 佳三(IT Leaders編集部)
Sansanは2024年8月8日、立替経費の負担に関する実態を調査した結果を発表した。調査の結果、従業員の平均立替金額は毎月3万円で、平均月収32万円の約1割に相当することが明らかになった。また、4割が立替経費の金銭負担から接待や出張などの業務を躊躇した経験があることが分かった。調査は、2024年7月12日から7月17日にかけて、20~50代の会社員1000人を対象にオンラインアンケートで実施した。
Sansanは、立替経費の負担に関する実態を調査した。2024年7月12日から7月17日にかけて、20~50代の会社員1000人を対象に、オンラインアンケートで実施した。
ひと月あたりの立替合計金額を聞いたところ、平均約3.1万円という結果になった。国税庁の調査によると、ひと月あたりの収入は平均約32.2万円であるため、立替金額が月収の約1割に相当することが分かった。
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これまで立て替えた経費の中で最も高額だった物・サービスを聞いたところ、「海外出張費300万円」(30代/運輸・物流業)、「イベント会場費250万円」(50代/製造業)、「車両代170万円」(20代/製造業)といった回答が見られた(図1)。反対に、これまでで最も安価だった物・サービスについては、「コピー代10円」という回答が複数見られた。
自身の金銭負担を懸念し、接待や出張など立替経費が発生しそうな業務を躊躇した経験はあるか聞いたところ、40.0%が「経験あり」と回答した(図2)。
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立替経費の金銭負担によって会社に不満を感じた経験はあるか聞いたところ、43.5%が「不満を感じたことがある」と回答した(図3)。
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経費の立て替えで困ったエピソードを聞いたところ、「得意先との接待で立て替えをしたが、会社がなかなか返金をしてくれず、自分の色んな支払いに影響が出てしまい転職したいと思った」(30代/その他業種)、「クレジットカードの請求が先になり、払い戻しまでの期間お金が不足した」(50代/製造業)、「携帯の通話代をもらうのを忘れていたがもう申請しづらかったので諦めた」(30代/建設・不動産業)といった回答が寄せられた。
調査結果を受けてSansanは「立て替え分が月収の約1割を占めており、金銭的な負担を感じている人が少なくない。その負担の大きさにより、事業成長のために本来必要であるはずの経費出費を控えた経験がある人は4割におよんでいる。また、立て替えの金銭負担が社員のエンゲージメント低下の一因にもなってしまうことが考えられる」とコメントしている。