アイ・ティ・アール(ITR)は2024年11月26日、国内企業によるIT投資動向を調べた結果の一部を発表した。44%の企業が、2024年度(2024年4月~2025年3月)のIT予算額を前年度から「増額」した。2025年度に「増額」を見込む企業は1ポイント増の45%となり、2001年の調査開始以来の最高値となると同社は予想する。なお、2025年度に新規導入/投資増額が期待される製品分野の1位は生成AIである。
ITRは、2024年8月19日から9月1日にかけて、国内企業によるIT投資動向を調査した。ITRの顧客企業や主催セミナーへの出席者、Web調査の独自パネルメンバーなどのうち、国内企業のIT戦略・IT投資の意思決定に関与する役職者に対し、Web経由で回答を呼びかけ、2374人から有効回答を得た。
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2024年度(2024年4月~2025年3月)のIT予算額は、前年度から「増額」したとする企業が44%となり、2023年度と同じ割合を維持した(図1)。2025年度は「増額」を見込む企業が1ポイント増の45%となり、2001年の調査開始以来の最高値となるとITRは予測する。
IT予算額の増減を指数化した「IT投資インデックス」は、2024年度(実績値)が3.81で4年連続の上昇となり、2006年度の過去最高値(3.88)に次ぐ高い値になった(図2)。2025年度は、10%未満の比較的小幅な増額を見込む企業が増えることから、IT投資インデックスはわずかに下降するとみている。
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デジタルトランスフォーメーション(DX)関連予算とAI関連予算の計上状況を調べたところ、DX関連は82%、AI関連は70%の企業が、各予算を計上していた(図3)。また、これらの予算の全部または一部をIT予算に計上している企業は、DX関連が56%、AI関連が46%と、いずれも半数前後に上っており、IT予算が増加基調にある一因になっている。
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「生成AI」が2025年度の新規導入/投資増減指数で1位
企業ITに関わる全110項目の製品・サービスを対象に導入状況と投資計画を調べ、2025年度に新規で導入する可能性を「新規導入可能性」、導入済み企業での2025年度の投資額の増減予定を「投資増減指数」として算出し、動向を分析した。
2025年度の新規導入可能性では「生成AI」が1位、「AI/機械学習プラットフォーム」が2位となり、前年調査の1位と2位が入れ替わった(図4)。また、投資増減指数も同じく「生成AI」が1位、「AI/機械学習プラットフォーム」が2位になった。
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AI分野への注目と投資意欲の高まりを背景に、「チャットボット/チャットサポート」(3位)と「音声認識」(10位)が新規導入可能性での順位を上げてトップ10入りした。「画像認識」の投資増減指数は、前年調査の10位から2025年度の4位へと順位を上げた。
AI機能を組み込んだ業務アプリケーションの開発ニーズも拡大している。新規導入可能性で「iPaaS/API管理ツール」が4位、投資増減指数で「ローコード/ノーコード開発」が3位になった。
ITRは、全調査結果を掲載したレポート「国内IT投資動向調査報告書2025」を同日販売開始した。