安藤ハザマ(本社:東京都港区)は2024年12月3日、建設現場のカメラ映像を利用して、作業員の危険な行動を検知する実証実験の概要を発表した。AIで画像を解析するシステムをNTTアドバンステクノロジ(NTT-AT)と共同で構築し、同年10月から1カ月間の予定で建設現場で実証に取り組んでいる。
準大手ゼネコンの安藤ハザマは、AI画像解析によって作業員の危険な行動を検知するシステムをNTTアドバンステクノロジ(NTT-AT)と共同で構築し、同年10月から1カ月間の予定で建設現場で実証実験に取り組んでいる。
建設現場に設置した監視カメラの映像から作業員の危険行動を検出し、検出した危険行動を作業員本人に知らせることで、作業員自身で日々の危険行動を確認できる仕組みである(図1)。
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取り組みの背景を次のように説明している。「建設現場では作業員の安全意識が低いと事故の発生リスクが高まる。作業員に対する安全意識の啓発が重要である。しかし、安全研修やヒヤリハットの共有といった教育による対策は、自身の問題として捉えにくい。また、人手不足が原因で、現場において作業員の危険行動に対する行き届いた安全指導が難しい」。
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建設現場に監視カメラ(クラウドカメラ)を設置し、映像データをクラウドに転送し、作業者の姿勢が危険行動にあたるかを判定する(写真1)。さらに、判定した情報(映像データ、発生位置、危険行動の種類)を蓄積する。作業員は、専用のWebアプリケーションを介して、自分がとった危険行動についての情報を閲覧可能である(画面1)。
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実証実験では、室内工事における立馬作業の転倒・転落事故につながる危険行動を検知対象として、当該作業を行う複数箇所の建設現場にシステムを導入した。
モニターとなる当該建設現場の職長や作業員は、当日の作業終了時もしくは翌日の作業開始時に、システムを使って危険行動の検出情報(映像データ、発生時間、危険行動の種類)を閲覧し、自己の危険行動について振り返る。実証期間終了後、作業に対する安全意識の向上やシステム利用に関し、作業員や職長、現場管理者によるアンケート評価を行うとともに、実証期間中の検出結果についての精度を確認する。