東武鉄道(本社:東京都墨田区)は2024年12月17日、踏切内に滞留している人などをAIで検知するシステムを、2025年1月16日から東京都・埼玉県の踏切4カ所で実運用を開始すると発表した。リアルタイムに踏切内を監視することで踏切事故を減らす。システムは、沖電気工業(OKI)および丸紅ネットワークソリューションズと共同で開発した。
東武鉄道は、踏切の遮断桿が降りた後にもかかわらず踏切内に滞留している人などをAIで検知するシステムを2025年1月16日から東京都・埼玉県の踏切4カ所で実運用を開始する。踏切に設置したカメラの映像をその場でリアルタイムにAI画像処理する。滞留している人などを検知した場合は、特殊信号発光機と連動して接近する列車の運転士に異常を知らせる(図1)。
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「これまで、主に人や自転車が通行する踏切では、踏切にある障害物を検知する装置が設置されていなかった。こうした踏切において、列車の運転士に異常を知らせたい場合、その場に居合わせた他の人が非常ボタンを押すしか方法がなかった」(東武鉄道)という。
AI検知システムは、沖電気工業(OKI)および丸紅ネットワークソリューションズと共同で開発した。約1年間、東武鉄道の踏切において本番の運用に近い形で導入試験を行ってきた。東部鉄道は、導入試験の結果から実運用化が可能と判断し、実運用に動く。実運用を開始する踏切は以下の4カ所である。
- 東武東上線 ときわ台駅~上板橋駅間の第24号踏切道(東京都板橋区常盤台3-2-5)
- 東武伊勢崎線 大袋駅~せんげん台駅間の第96号踏切道(埼玉県越谷市袋山1021)
- 東武伊勢崎線 武里駅~一ノ割駅間の第112号踏切道(同県春日部市備後2004-20)
- 東武東上線 鶴瀬駅~ふじみ野駅間の第113号踏切道(同県富士見市上沢1-4066-1)