丸井グループのエポスカード(本社:東京都中野区)は、クレジットカードの不正使用をAIで検知するシステム「PKSHA Security」の運用を2024年11月に開始した。本稼働前に3カ月間実施したPoC(概念検証)では、検知精度などが想定していた基準を満たしたとしている。PKSHA Technologyが2024年12月25日に発表した。
丸井グループのクレジットカード会社であるエポスカード。同社は以前より、クレジットカードの不正使用を検知するシステムを運用していた。今回、不正検知の精度をさらに工場させるため、PKSHA TechnologyのAIを活用したシステム「PKSHA Security」を導入。3カ月間のPoCにおいて検知精度などが想定の基準を満たしたことから、2024年11月に本稼働を開始した(図1)。
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PKSHA Securityでは、不正使用のスコアリングにAIを活用している。日々変化する不正手口のパターンを、マシンラーニング(機械学習)で自動学習することで、未知の不正を検知する。学習対象データは、ユーザーや取引に関する時系列データ(取引時刻や取引金額など)で、これらのデータに見られる取引金額の規則性や取引頻度などの顕著な特徴を検出する仕組みをとる。
国内のクレジットカード発行会社の不正使用被害額は、2014年以降増加傾向にある。2022年は累計436億7000万円、2023年は累計540億9000万円(前年同期比1.2倍)で推移している。エポスカードは、日々高度化する不正手法に対しては、手法の機械学習による検知が有効だとしている。