[ユーザー事例]

「データそのものがビジネスの根幹」─Vポイント運営のCCCMKがデータ分析基盤を刷新

Snowflakeへの移行でクエリ速度が1.5倍、コストは6割に

2025年2月5日(水)愛甲 峻(IT Leaders編集部)

日本最大級の共通ポイントプログラム「Vポイント」を運営するCCCMKホールディングスが、データ分析基盤をクラウド型DWHの「Snowflake」に刷新した。課題だった分散したデータベースの一元化や、増加・高度化する分析ニーズへの対応を遂げると共に、クエリ実行速度やコスト効率の改善、セキュリティ/プライバシー保護の強化を図っている。2025年1月27日にSnowflakeが開催した説明会に、CCCMKホールディングス IT戦略本部 本部長の松井太郎氏が登壇し、移行の背景や成果、今後の展望を語った。

「データそのものがビジネスの根幹」

 CCCMKホールディングスは、「TSUTAYA」や「蔦屋書店」などの店舗や図書館・公共施設の運営、商業施設開発、出版事業など、多様な事業を展開するカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)のグループ会社である。

 CCCMKが運営を担うのが、約1億5400万の有効ID数、約8600万のアクティブユーザーを擁する共通ポイント「Vポイント」だ。2024年4月に、同社が従来提供していた「Tポイント」と三井住友カードの共通ポイントを統合したプログラムである。提携先は約4400社、16万店舗に上る(2024年10月時点)。

 中核事業の1つが、Vポイント事業から得られる豊富なデータを活用したマーケティング支援である。保有するデータは会員の年代や生活圏、購買履歴など多岐にわたる。

 このビッグデータを生かし、例えば市場構造やユーザー像を可視化したり、それをクラスターに分類し、ターゲット設定すべき潜在的な顧客を抽出する。さらに、会員向けのキャンペーン施策の実施や、購買データの分析による効果検証まで、一連のマーケティングプロセスを包括したサービスを提供している(図1)。

図1:Vポイントのデータを活用したマーケティング支援(出典:CCCMKホールディングス)
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 社内外へのデータや分析環境の提供も担う。例えば、グループ会社のCatalyst・Data・Partnersが展開する、書籍の販売状況やメディア展開との相関を分析できる「CANTERA」、書籍の特徴や読者層を可視化できる「AND ONE」などの出版業界向けマーケティングツールがある。そのほか、TSUTAYA事業を営むカルチュア・エクスペリエンスが利用するデータ分析環境や、グループを束ねるCCCへのデータ提供なども行う。

 CCCMKでIT戦略本部 本部長を務める松井太郎氏(写真1)は、「データそのものが当社のビジネスの根幹だ」と断言。しかし、保有するデータが増大し、分析ニーズが高度化する中で、旧来のデータ分析基盤はいくつかの課題に直面していたことを明かした。

写真1:CCCMKホールディングス IT戦略本部 本部長の松井太郎氏

●Next:データマーケティング専門企業が直面した分析基盤の課題

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