[市場動向]

AIエージェントの業務適用では「AIが業務プロセスを理解する」ことが必要─Celonis幹部

2025年3月13日(木)日川 佳三(IT Leaders編集部)

Celonisは2025年3月13日、都内で説明会を開き、プロセスマイニングツール「Celonis」で管理している業務データを活用し、業務の意思決定をAIエージェントで省力化したユーザー事例を紹介した。建築/デザイン業界向けに素材を販売しているスペインのコセンティーノ(Cosentino)は、受注時の与信判断をAIエージェントに担わせて製品配送の効率化を図っている。

写真1:AIエージェントとCelonisを組み合わせたユーザー事例について説明する、独Celonis Head of AIのアレックス・ヒル氏
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 独Celonis(セロニス)の日本法人は、都内で説明会を開き、プロセスマイニングツール「Celonis」で管理している業務データを活用し、業務の意思決定をAIエージェントで省力化したユーザー事例を紹介した(関連記事プロセスインテリジェンスとAIの融合─Celonisに見るプロセスマイニングの新局面)。

 プロセスマイニングツール「Celonis」を活用することで、「AIを適用するべき業務を特定できるだけでなく、AIによる意思決定に必要な業務データに容易にアクセスできるようになる」(独Celonis Head of AIのアレックス・ヒル氏、写真1)とした。

 「AIで業務を省力化・自動化するためには、前提としてAIが業務プロセスや業務のコンテキストを理解していないとならない」とヒル氏は指摘。ここで、CelonisのPI Graph(プロセスインテリジェンスグラフ)が役に立つとしている。Celonisがデータをコンテキストとして扱えるようにすることで、AIモデルから活用できるようになるという。

 AIエージェントとCelonisを活用した事例の1つとして同社は、建築/デザイン業界向けに素材を販売するスペインのコセンティーノ(Cosentino)の取り組みを紹介した。同社はCelonisを使って「配送の遅れが発生している」ことを検出。理由を調べると、顧客の支払い能力が疑わしい時にオーダー段階でいったん処理を停止(ブロック)する機能がうまく機能しないケースがあったという。

 解決方法として同社は、除外すべきブロック条件をAIに推奨させたMicrosoft Copilotを活用したAIエージェントが意思決定を支援する仕組みを整えた。AIエージェントは、Celonisのデータを活用して与信を判断し、外すべき条件をボタン化して提示する。ユーザーは、ボタンを押すだけで条件を外せる。これにより、ブロックを外すのに要する時間が以前の5分の1に減ったという。

 ヒル氏は、この事例で、よりAIエージェントを活用するシナリオも説明した。まずはAIエージェントが判断とアクションまで実行し、あとで人間に知らせるというものである。例えば、オーダーにブロックがかかった際、AIエージェントはCelonisの業務データを参照し、該当する顧客の過去の決済履歴を確認する。その後、調べた情報を財務部門にエスカレーションしたり、顧客とコミュニケーションをとったり、自動でブロックを外したりする。

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