カジュアルファッション専門店チェーンのアダストリア(本社:東京都渋谷区)は、海外事業の拡大に向けた経営基盤強化のため、日本オラクルのクラウドERP「Oracle NetSuite」を導入した。新ERPの下で財務プロセスの合理化、レポーティングの改善、内部統制の強化を推進する。日本オラクルが2025年4月10日に発表した。
アダストリアは、アパレル商品の製造から小売までを統合して販売するSPA(Specialty Store Retailer Of Private Label Apparel)企業。GLOBAL WORK(グローバルワーク)、niko and ...(ニコアンド)、LOWRYS FARM(ローリーズファーム)など30を超えるブランドを擁してカジュアルファッション専門店チェーンを国内外に展開している。
台湾への出店をきっかけにグローバル展開を開始し、国内外で約1500店舗を運営している。現在は、中国本土やタイなどのアジア地域を中心に出店を加速させている。
同社は従来、新たな国・地域の市場に進出する際には、各国の商習慣に対応するため、ERPとは別に、カスタマイズしたサブシステムを構築していた。しかし、継続的な成長を支えるためには、より効率を高められる新しいERPが必要と判断し、日本オラクルのクラウドERP「Oracle NetSuite」(画面1)を採用した。

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「より迅速に出店するため、ITの仕組みをパッケージ化して展開する方針の下でNetSuiteを採用した。以前は1年かけて構築していたERPを約3カ月で導入できるようになった。海外進出のスピードに適している」(アダストリア)
NetSuiteの導入により、財務会計、CRM、マーケティング、ECなどの機能を単一のERPシステムで運用。財務プロセスを合理化し、レポーティングを改善し、内部統制を強化した。また、多言語・多通貨に対応していることから、各国の商習慣や法規制にも適応可能だとしている。