アイ・ティ・アール(ITR)は2025年4月15日、国内の特権ID管理市場における規模の推移と予測を発表した。2023年度の売上金額は前年度から19.9%増の127億6000万円となった。2024年度は同22.0%増の155億7000万円を予測し、CAGR(2023~2028年度)は12.1%で推移し、2028年度には226億円に達すると見ている。
アイ・ティ・アール(ITR)は、国内の特権ID管理市場における規模の推移と予測を示した。2023年度の売上金額は前年度から19.9%増の127億6000万円となった。2024年度は同22.0%増の155億7000万円を予測し、CAGR(2023~2028年度)は12.1%で推移し、2028年度には226億円に達すると見ている(図1)。

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市場の動きとしてITRは、特権IDの不正利用によるサイバー攻撃や内部不正から企業システムを保護する手段として、特権ID管理の需要が高まっていることを指摘する。加えて、FISC(金融情報システムセンター)の安全対策基準やPCI DSSなどのガイドラインにおいて特権IDの適切な管理・運用が求められており、これらへの準拠を目的とした導入も増えているという。
「特権IDは、窃取されるとシステム全体の破壊が可能になるだけでなく、痕跡の削除も可能であり、その後の追跡や対応が困難になる。企業システムの保護や不正対策として、特権IDの管理は最重要事項と言える。クラウドサービスを利用するオープンなゼロトラスト環境では攻撃のリスクが増えることから、特権ID管理の重要性は今後さらに増す」(ITR コンサルティング・フェローの藤 俊満氏)
今回の発表は、レポート「ITR Market View:アイデンティティ・アクセス管理/個人認証型セキュリティ市場2025」に基づく。特権ID管理、統合ID管理、IDaaS、IGA(Identity Governance & Administration:IDガバナンス管理)、CIAM(Customer Identity & Access Management:顧客IDアクセス管理)、EIAM(Enterprise Identity & Access Management:企業IDアクセス管理)、SSO(シングルサインオン)、eKYC(オンライン本人確認)、SMS認証の全9分野を対象に、国内55ベンダーへの調査から2022~2023年度売上実績および2028年度までの売上予測を掲載している。