[市場動向]

BIPROGY、オープン勘定系基盤の次期仕様「BankVision2.0」に着手、東西リージョンの自動切替でBCPを強化

2025年5月30日(金)IT Leaders編集部、日川 佳三

BIPROGYは2025年5月30日、オープン勘定系システム「BankVision」の強化プロジェクト「BankVision2.0」を開始すると発表した。主な取り組みとして、BCP(事業継続計画)とサイバーセキュリティ対策を強化する。BCPの強化では、東西リージョン間で本番稼働環境を自動で切り替えて業務を継続できる仕組みを実装し、2026年度の提供開始を予定している。

 BIPROGYの「BankVision」は、Windows Server/SQL Server環境で動作するオープン勘定系システムである。2007年のファーストリリース移行、機能拡張を続け、2020年にはサーバー仮想化環境で動作するようにした。2021年からはクラウドサービス「BankVision on Azure」を提供している(図1)。

図1:オープン勘定系システム「BankVision」の全体ロードマップ(出典:BIPROGY)
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 高いレベルで求められる可用性については、金融情報システムセンター(FISC)の安全対策基準に準拠する。バックアップ環境に本番データをほぼリアルタイムで反映することにより、システム障害などの有事におけるデータ復旧作業とサービス中断時間を少なくしている。

 一方、近年において金融機関を取り巻くリスク環境は複雑化しており、「システム障害や自然災害などに対して金融機関として重要な業務を最低限維持・継続できる能力(オペレーショナルレジリエンス)の確保が求められている」(BIPROGY)と認識している。

図2:「BankVision」におけるBCP強化の概要(出典:BIPROGY)
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 そこで今回、クラウド基盤を活用してBCP(事業継続計画)を強化する。有事の際、Azure東西リージョン間で本番稼働環境を自動で切り替えて業務を継続できるようにする(図2)。前提として、オンライン処理とバッチ処理ともデータを完全同期する。これにより、銀行業務のサービス中断時間をさらに短縮できる。2026年度の提供開始を予定している。

 加えて、サイバーセキュリティの強化に取り組む。その一環で、参加金融機関で対策を共通化するセキュリティ協働組織「BankVision-CSIRT Partnership」を設立する。情報交換、共同検討、対策実行を目的とした定例会の開催などを通じ、勘定系システムにとどまらないセキュリティ分野の協働を推進する。

 BankVision-CSIRT Partnershipの参加企業は以下のとおりである(2025年5月現在、金融機関コード順)。

山梨中央銀行、北國銀行、スルガ銀行、大垣共立銀行、百五銀行、紀陽銀行、筑邦銀行、佐賀銀行、鹿児島銀行、西京銀行、商工組合中央金庫

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