[事例ニュース]
スーパーマーケットのベイシア、全店舗の冷蔵・冷凍庫の温度管理をIoTで自動化
2026年2月25日(水)日川 佳三、河原 潤(IT Leaders編集部)
スーパーマーケットチェーン運営のベイシア(本部:群馬県前橋市)は、店舗内にある冷蔵・冷凍設備の温度管理をIoTを活用して自動化した。富士通の支援の下、各種IoTセンサーから取得したデータをリアルタイムに可視化するシステムを構築。同年5月までにベイシア全138店舗に導入する。店舗従業員による温度の点検・記録業務をなくし、異常時の迅速なアラート通知による食品ロスの削減を見込む。ベイシアと富士通が2026年2月25日に発表した。
ベイシア(Beisia)は、群馬県前橋市に本部を置き、関東を中心に1都14県で130店舗以上を展開するスーパーマーケットチェーンである。カインズやワークマンと共にベイシアグループの中核をなし、「より良いものをより安く」を理念に、地域密着型のスーパーセンターや生鮮食品に強みを持つ店舗を展開している。
これまで同社の店舗では、1店舗当たり平均150台ある冷蔵・冷凍設備の温度計を、店舗の従業員が1日2回巡回して目視で記録しており、その作業負荷の高さが問題視されていた。
また、2021年6月の食品衛生法改正によって、食品衛生管理の国際基準「HACCP(Hazard Analysis and Critical Control Point:危害要因分析・重要管理点、ハサップ)の導入が義務化。「小売業界において商品鮮度と信頼性に直結する温度管理の徹底が厳しく求められる一方、店舗の人材不足が深刻化しており、点検・記録業務の効率化は喫緊の課題となっていた」(ベイシア)という。
図1:ベイシアが導入した富士通のIoTデータ可視化システムの概要(出典:ベイシア、富士通)拡大画像表示
こうした中、ベイシアは従業員の作業負荷解消と鮮度管理の強化を目指し、温度管理業務を自動化するシステムの導入を検討。各種IoTセンサーから取得したデータをリアルタイムに可視化する富士通の店舗向けシステムおよびSIサービス「Advanced Operation & Management」を採用した(図1)。既存の冷蔵・冷凍設備にIoTセンサーを取り付けるだけでデータを取得できるため、ハードウェアに依存せず既存設備を活かして迅速に導入できる点が決め手となったという。
本番導入に先立ち、ベイシアFoods Park高崎倉賀野店(群馬県高崎市)で実機による検証を実施。温度情報の取得と管理、および従業員作業の効率化を確認できたことから、2025年12月から順次全店への展開を開始した。2026年5月までに全138店舗(2026年2月時点)に導入し、合計で約1万9000個のIoTセンサーを設置する予定だ(写真1)。
写真1:ベイシア店舗の冷凍庫に装着したIoTセンサーの外観(出典:ベイシア、富士通) IoTシステムによるデータ連携により、従業員による手作業の点検・記録業務が不要となり、HACCP対応に関わる作業負担が大幅に軽減される。また、しきい値を超えた温度異常を検知した際には、店舗で利用しているコミュニケーションツールに迅速にアラートが通知される仕組みを構築。これにより、設備トラブルなどによる異常発生時の初動対応を早め、商品鮮度の維持と食品ロスの削減に貢献するとしている。
加えて、ベイシアの本部と各店舗がダッシュボードを通じて同じ情報をリアルタイムに把握可能になるため、複数店舗の情報が一元管理され、店舗運営全体の最適化が進むことを期待する。ベイシアは今後、全店舗でのシステム稼働によって、商品鮮度維持管理のさらなる強化を目指すとしている。
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