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百五銀行、住宅ローン審査などの書類転記に生成AIとAIエージェントを適用、作業時間を3分の1に

2026年3月2日(月)IT Leaders編集部、日川 佳三

百五銀行(本店:三重県津市)は2026年2月27日、本人確認書類や非定型帳票の転記および後続業務を生成AIとAIエージェントで自動化する取り組みを2026年度から始めると発表した。システムを日立製作所と共同で構築する。住宅ローン業務を対象とした効果検証では、1件あたりの作業時間を約20分から7分以下へと約3分の1に短縮できることを確認しており、2026年度から順次、実業務への適用を開始する。

 百五銀行は、三重県津市に本店を置く、同県でトップシェアを誇る地方銀行である。「ひゃくご」の呼び名で県民から親しまれている同行は、1878(明治11)年創業の歴史と実績をバックグラウンドに、県内の多くの自治体で指定金融機関を受託するリーディングバンクとして地域経済を支えている。

 同行によると、住宅ローン業務などにおいて、定型帳票の入力はAI-OCRの活用で自動化が進んでいたものの、物件資料や図面といったフォーマットが異なる非定型帳票は、依然として行員による手作業での転記や確認作業に依存していた。これによる業務負荷の増大や、申込段階から審査回答までに時間を要すること、さらに手作業では細かい確認や問題発見が難しいことなどが課題となっていたという。

 今回、こうした課題を解決するため、生成AIとAIエージェントを活用した業務プロセスの自動化・自律化を図る。システムを日立製作所と共同で構築する。

 まず、フォーマットが定まっていない非定型書類に対しては、生成AIを活用して必要な情報の抽出とデータ化を行い、行内システムへの登録までをワンストップで自動化する。これにより、行員のスキルによる作業時間や入力内容のばらつきを防ぎ、行員の役割を登録結果の確認のみにとどめることで、人手依存の解消を目指す(図1)。

図1:百五銀行が始める、帳票の転記業務と後続業務の一連のプロセスをAIで自動化・自律化する取り組みの概要(出典:百五銀行、日立製作所)
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 システム登録後の後続業務には、AIエージェントを活用する。AIエージェントが関連情報との整合性や妥当性を分析し、本審査プロセスにおける潜在リスクを判定したうえで、審査担当の行員に提示する。「行員はAIが自律的に提示した照合結果や齟齬の有無を参照し、最終的な判断に専念できるため、業務負荷の削減と品質の均一化が可能になる」(同行)。

 2025年8月~2026年2月に実施した効果検証では、これらの仕組みにより大幅な作業時間の短縮と、一定した品質のアウトプットを確認している。百五銀行は今後、この取り組みを起点に住宅ローン業務以外にも幅広い業務で適用を推進する。創出された人的リソースを顧客へのコンサルティング強化などの高付加価値業務へシフトしていく方針という。  

 日立は、同行の取り組みで活用する生成AIとAIエージェントを、2026年度中に金融機関向けマルチチャネルシステム「Branch in Mobileサービス」の新機能として追加し、各金融機関に展開する。

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