[事例ニュース]

ANA大阪空港、空港内の車椅子・ベビーカーの位置をビーコンでリアルタイムに把握

備品捜索業務において年間2312時間の削減効果

2026年3月6日(金)IT Leaders編集部、日川 佳三

ANA大阪空港(本社:大阪府豊中市)は、大阪国際空港(伊丹空港)において、車椅子やベビーカーなどの歩行補助具の所在をリアルタイムに把握する位置情報管理システムを構築した。歩行補助具の効率的な運搬・管理と、備品捜索にかかる業務負荷の軽減を目的に、ビーキャップの小型ビーコン端末「Beacapp Tag」とスタッフ用のiPadを連携させ、ターミナル内に配置された歩行補助具の位置と台数を可視化。これにより、備品捜索の業務において年間で約2312時間の削減効果を算出している。ビーキャップが2026年3月4日に発表した。

 ANA大阪空港は、大阪国際空港(伊丹空港)と神戸空港で、全日本空輸(ANA)のグループ便などの地上業務を一手に担う航空系サービス企業である。カウンターでのチェックイン、手荷物取り扱い、誘導(グランドハンドリング)など、空港の“顔”と安全・定時運航を支える重要な役割を果たしている。

 訪日外客数が過去最高水準で推移するなど移動需要が回復する中、空港内の人流も増加している。「年齢や状況の異なる多様な利用客が行き交う空港では、移動の円滑化・アクセシビリティの確保が求められている。怪我・体調不良・妊娠中など一時的なニーズも含めて、車椅子やベビーカーといった歩行補助具の貸し出しが欠かせない」(同社)という。

 同社は、伊丹空港において歩行補助具を計95台保有し、空港ターミナル内の複数の場所で貸出・返却を行っている。しかし、広範囲かつ複数フロアにまたがるターミナル施設内では、利用希望があった際に必要な補助具が今どこにあるのか」を即座に把握することが難しく、利用客を待たせてしまうケースが発生していたという。手作業や無線連絡に頼っていた所在確認・捜索業務を効率化し、サービス品質の向上と現場負荷の軽減を両立させる仕組みの構築が急務となっていた。

写真1:レンタル用ベビーカーに装着した小型ビーコン端末の外観と、歩行補助具の保管場所(出典:ビーキャップ)
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 そこでANA大阪空港は、ビーキャップが提供する位置情報管理システム「Beacapp Tag」を導入した。同社が保有する計95台の歩行補助具に小型のビーコン端末を取り付け、ターミナル内の保管場所に受信機を設置した。これにより、スタッフが日常業務で携帯している「iPad」を通じ、保管場所ごとの配置台数をリアルタイムで確認できるようになった。2024年12月より試験導入を開始し、2025年4月から本導入に至っている(写真1)。

 システムの導入により、スタッフ自身の足や無線でのやり取りで行っていた所在確認が可視化され、スムーズに共有されるようになった。これまで1日あたり平均7時間20分かかっていた備品の確認・再配置作業は、1日平均1時間へと大幅に短縮。月間で約193時間、年間で約2312時間分にのぼる業務削減効果が得られた。新たに捻出された時間は、ロビーやゲートでの直接的な接客対応に振り向けられている(図1)。

図1:小型ビーコン端末の導入効果(出典:ビーキャップ)
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 また、急な対応が求められる場面でもiPadから即座に所在地を確認できるため、スタッフ間の連携が円滑になった。導入後に行われた社内アンケートでは、約80%のスタッフが「お客様からのお困りの声が減ったと実感している」と回答するなど、サービス品質の向上にも寄与している。

 現在、システムを活用しているのは、同社が担当する伊丹空港南ターミナル内のみである。一方、貸し出した歩行補助具が本来の返却場所とは異なる地点に置かれたり、駐車場や北ターミナルなど、担当エリア外に紛れたりするケースもあるという。今後は、同空港内での活用範囲を広げ、すべての利用客に、いつでも必要なときに歩行補助具を提供できる体制の実現を目指す。

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